時間が空いたので国立美術館へ一人で行ってきた。
美術館は一昨年くらいに榎本と江戸博物館の特別展示場に行ったのが最後。
その時は榎本がなんと5分で全て回り切り、まだスタート地点の展示にいる僕のところに戻ってきて 「え、これ何見んの?」
という何の情緒もない言葉に唖然とした。
この男・・それはそれでただものではない・・。
なので今回は独りで行く事にした。
今回は国宝、空海と仏像曼荼羅。
空海は遣唐使で中国に渡り、当時の密教の文化を日本に持って帰ってきた人物。(20年行く予定が2年で帰ってきちゃった)
そして日本に帰ってきて、空海プロデュースで密教文化の個展を開く。
さて日本史でしかしらない空海たる人物のアート感、お手並み拝見と行こう。
その当時の仏教はヒンズー文化もたくさん取り入れられ、異形の・・と言ったら語弊があるが恐ろしいモンスターのような神々が盛沢山。
4つ目に牙をむき出しにしたもの、頭がたくさんあるもの、手には不思議な法具(古代の武器らしい)を持ち、皆怒りの形相。
これは・・日本の歴史ではなく・・どこか違う次元の世界の日本か・・と思い違うほど。
密教の教えというのは絵や彫刻から人々が何を受け取るかも修行である。
なるほど・・では僕もアート感全開で観てみよう。
最初におおっと思ったのは、木彫りの僧の彫刻。聖僧坐像
この彫刻のお坊さんは、見る確度によってなのか、怒っていたり、やさしく見えたりと顔の表情が変わる。
僕に何を伝えたいのであろうか・・。
何度もその彫刻のまわりを徘徊。
くう・・何を言われているかわからない・・。が自分の奥底を見られているような感じがする。
だから怒りとやさしさなのだろうか・・。
そして呆然としながら次の部屋に進むと、巨大な神々の彫刻の数々。
持国天という神の下にいると、全てを飲み込まれそうになるほどの迫力を感じた。
怒りというか・・言葉では言い表せない「 タマシイ。」
この神は欲望を捨て去れと人に伝えるのが仕事らしい。
業を背負ったが故の怒り。
ああ・・この神も欲望にまみれたんだなあと思うと感動。
もう少し行くと明王たちが見えてきた。
背中には炎を背負い、その異形な身体で拝むものを睨みつける。
不動明王。自分に反逆する相手でも怒りを持って手を差し伸べる。
そこまでせねば、国は収まらなかったのか・・とまた感動。
そしてやっとやさしい顔の菩薩が現れてくる。
むーん・・・。この段階を経てみる菩薩の顔は「 癒し。」
やばい涙が止まらん・・。
空海マジやべえ。
この像だけ撮影オッケーだったので人混みの中撮らせていただいた。
帝釈天騎象像。