12月8日(土)
ここ数日の中では、一番の良天に恵まれた日
吹きっ晒しのスタンドは、白風が体に染みると思いダウンを着るも、気が付けば汗が滴り落ちる気候だった。
場所はここ。埼玉県熊谷市熊谷ラグビー場。
目的はそう。
一部二部入れ替え戦。
言わば決勝戦のようなもの。
一部「中央大学(一部リーグ全敗)」
vs
二部「関東学院大学(二部リーグ全勝)」
要するに、ここに勝てば一部リーグへの昇格が決まる。一部へ上がる為の登竜門。現役の選手達はみなここを目指して一年間ひたすらに戦う。
下馬評は関東学院優勢だった。
その為か、集まる集まる大勢のファン。
【最強カントー】の復活を誰もが心待ちにしたからだ。
試合前の最後のウォーミングアップ
静かに選手達の動きを見守る兄
大学選手権決勝、宿敵早稲田大学から先制のトライを挙げる兄
その眼差しと想いは、何を思って今の選手達に向けられるのか。
「ここまで来たらもう何も言う事はない。いまが選手達のピーク。」
試合前日の電話でそう話す兄。
そして高らかに、試合開始を告げるホイッスルが鳴らされた。
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かつて、こんな質問をされた事がある。
「一部と二部はそんなにも違うものなのか?」
結論。
違う。
しかも些細な、ほんの紙一重的な差ではなく、大きく違う。
同じ大学生。体の大きさやフィジカル的な部分も含めてそこまで大きくは変わらない。
では何が違うのか。
答えは経験だ。環境と言ってもいい。
彼らは(中央大学は)例え全敗だろうと、日本中の強豪猛者がひしめき合う一部という環境にその身を置いていた。
相手は強く、速く、正直その手も足も出ない相手も多くいたと思う。だがその中で揉まれた血肉や悔しさは経験という大きな糧となって身に染みる。
それを一年間味わう事ができる。たとえ負けててもだ。
大学最高のレベルを味わっていない今のカントーにはそれが無い。この差はデカい。
「あと2年はかかる」
そう溢した兄の言葉が思い浮かぶ。
頑張れ関東。
試合は楽しめ。それが最強カントーのスローガンだった。
この日、関東学院は
24対47という大きなスコアで
大敗を喫した。