4月某日、曇り時々雨、ちょいと肌寒い。


今日は、スピニンでの和物パフォーマンスのリハーサル日。


近々、映像作品として公開する予定。

男子は草色の単衣着物に紺袴。

女子は赤系の着物。

フォーメーションを組むと中々壮観。


こういう和物になると、僕の数少ない特技が発揮される。


女子の帯結び。





20代の頃に所属していた劇団では、必須として「お太鼓結びが出来るようになる事」という項目があった。


その劇団では着物芝居が多く、自分の奥さん役や恋人役の着物の帯は、男が結ぶという素晴らしい慣習があった。

実際、力の強い男性の方が帯を結ぶ事に適しているという理由もあるが、同時に、「美しさの追求」という訓練も兼ねていたと思う。

皆、先輩後輩関係なく「自分の結び方が一番綺麗で、自分の相手役を一番美しく見せてやるんや‼️」という気概を持ってお太鼓結びをしていたような気がする。


僕の耽美的指向は、この時に培われたと想像しているのだが、どうだろうか…。


その劇団の作品の1シーンで、遊郭の女将の帯を男衆が締めるというシーンがあった。


スポットライトに照らされて、女将さんの後ろに跪いて帯を結ぶというその情景に、なんとも言えない官能的な美しさを感じた僕は


「うわっ!このシーンやりたいっ‼️


と強く思い、早速演出に


「俺、この役やりたいっす‼️このシーン、シビれましたっ‼️


と強くアピールした所


「あんたにはまだ無理や。色気ないから」


と一蹴されてしまった💧


「この役は、30過ぎた色気のある役者がやらな成立せぇへん。あんたにはまだまだ色気が足りへん。」


今思えば、よく分かる。

20代の若僧には、到底あのシーンを支えるような色気は出せなかっただろうなと。

まぁ、もうすぐ40になる僕にその色気が備わったかどうか定かではないが…💧


そのシーンが出来なかった反動かどうかは分からないが、女子の帯結びは結構好きな作業である。


本番もしっかり結んで、美しいパフォーマンスを披露するとしましょうか✨