風立ちぬ
もう君はいない

もう一度君と絡み合うことはあるだろうか


強がる君を愛した
孤独は隙間の影に嫉妬するほど愚かしいのか

越えられなかった
愛の源に住む寂しさは揺るがないもの

狂おしく求めあった残像だけが君を恋慕する
嗚呼
恋情は目に見えない虚しい自由なのか

さりげない君のサイン
取り戻せない
遠くで君の涙が教えてくれる

くちびるが憶えてる
さくら色なぞるよ

さあ、おいで
またこの風が君を運んでくる

ひらひら、さよならが風に舞うよ
しがみつく純心が降り積もるよう
棄てきれない想いは孤独が背負う性(さが)だね

願うことは昔も今も変わらない
幻みたいに温もりだけが残ってる

ほら、追い風が優しく背中を押すから
今こそ別れめ
はらはら揺れる想い

おぼろ揺れる天に掛け

さあ、いざゆこう




Diracの多時間理論について

ハミルトン形式によって、量子力学を定式化しようとすると、N個の粒子からなる系に対して、それぞれの粒子の座標r1,r2,.......rNとすると、この系の確率振幅はr1,r2,,,,,,,rNと時間tの関数になる。しかし相対論によれば、時間と空間を区別しないので、N個の粒子にひとつの時間tしか対応しないのはおかしい。そこでDiracは粒子の座標それぞれに時間が対応すると考え、系としてr1,t1,r2,t2,,,,,,,,rN,tNにより確率振幅が記述できるものだと考え、実際、前者と後者はユニタリ変換で等価であることを証明した。これを多時間理論という。

以下突飛な発想だが、もし人間がひとつの粒子だとしたら、ひとそれぞれが固有の時間を持っていると考えてもおかしくない。実際には多時間理論は量子力学のようなミクロ世界でのみ成立するアイディアなのかもしれないが、ひとのようなマクロ世界で類推してみるのも面白い気がする。
また、宇宙はとてつもなく広いから、星たちもミクロな粒子とみなせて、量子力学によれば粒子は区別できないので、遠くに地球とまったく同じ星で固有時間だけが異なる並行世界も存在するのかもしれない。