あたたかい

何もかもが夏の名残りのように

肩を濡らす雨が貴女の熱に溶ける

 

秋に向かうカーブが微かな僕らの温度差

もう少し傍にいて欲しい

いびつに絡んだ糸に貴女の愛は苦しんでいる

ほどくことが僕にできたのなら希望も見えるだろう

 

奴の影が揺れる

その細い肩は答えを出せずに震えている

 

貴女を見つけたその瞬間

胸に刺さった予感は変わらない

僕の腕に戻ればいい

 

真夏に加速する想いを持て余し

僕はやがて忍びくる秋に戸惑っている

 

何故あの時君を抱き締めなかった

愚かなリグレットが9月の雨に親和する

 

ふたりのピアノ線が弾くエチュードが

雨音に変われば僕は少し大人になれるだろうか

 

憂鬱に時は過ぎ

君を取り戻せない想いだけが今もなお僕を苦しめる

嗚呼無為に過ごした独りの過去を奪い返せたら

どんなに倖せだろうか