ひとりの部屋は薄暗くて
降り続く雨に
僕は嫌気が差していた


そうだ、
くもる窓ガラスに指を伸ばして
未来の僕 理想の僕の 姿を描こう

あれ?
僕の理想ってなんだっけ


そうだ、
君の絵なら描けるだろ
ずっと僕にくれていた 優しい笑顔
怒った顔も 困った顔も
とても とても 好きだったんだ

あれ?
君の顔ってどんなだった


そもそも 絵が苦手なんだよ…

そうだ、
君が好きな言葉を綴って
君に贈る手紙を書こう
それなら僕にも出来るはず

もう一度 君に逢えますように…


気を取り直して
水の滴るキャンパスに向かう
指を伸ばすと

遠くの空に 雨が大きな虹を描いた
僕は何故か恥ずかしくなって

窓に流れる 戻らぬ恋を
冷えた手のひらで 拭って消した