「じゃあね。」
と上げた君の右手
見馴れない指輪に 痛む胸を
人は女々しいと言うのだろう
夏の匂いのアスファルト
滲む視界 浅くなる呼吸
明るい夜道を
誰にも気づかれないように
ただうつ向いて足早に歩く
「諦めよう」
君の事など 忘れてしまおう
胸の痛みも
無かった事にしてしまおう
何度繰り返し 言い聞かせても
消せないでいる 稀薄なツナガリ
「見えるかな?今日は月がキレイだね」
君から届いたメッセージ
足を止めて 見上げた空には
大きな月が滲んで見えた
「見えるよ。大きな月だ」
君に送るメッセージ
同じ空に 浮かぶ満月
「帰り道、気をつけてね。」
「あぁ、そっちもね。」
見上げたままで
僕はゆっくり歩き出す
あぁ、やっぱり明日も 君に会いたい