「Wrangler(ラングラー)」の歴史と魅力
アメリカを代表する3大デニムブランドといえば
- 「Levi’s(リーバイス)」
- 「Lee(リー)」
- 「Wrangler(ラングラー)」
その中で「Wrangler」は、
特にワークウェアやカウボーイカルチャーと
深く結びついたブランドとして知られています。
ここでは、ラングラーの歴史と背景を詳しくご紹介します。
Wranglerの誕生と背景
創業:1947年、アメリカ・ノースカロライナ州グリーンズボロ
ラングラーは、老舗ワークウェアメーカー
「ブルーベル社(Blue Bell)」から誕生しました。
1940年代後半、
カウボーイやロデオ向けに特化したジーンズを作ることを決意。
デザイナー「ロデオ・ベン」
その開発を担ったのが、
テーラー出身のデザイナー Ben Lichtenstein(通称ロデオ・ベン)。
彼が考案したのは、
実際にプロのロデオ選手から意見を取り入れた
「動きやすく、耐久性に優れたジーンズ」でした。
こうして誕生したのが、
Wranglerの代表モデル「11MWZ(Men’s Western Zipper)」です。
Wranglerの特徴
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カウボーイ仕様のディテール
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強化されたリベットやダブルステッチ
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サドルに座りやすいように配置されたバックポケット
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当時としては珍しいフロントジッパー
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本物のロデオ選手との共同開発
Wranglerは発売当初からロデオ協会と契約を結び、実際の選手が着用。
「実際に使えるジーンズ」として瞬く間に西部を中心に広まりました。 -
ブランドアイコン「Wステッチ」
バックポケットに入る「W」の刺繍は、Wranglerを象徴するデザイン。
現在でも定番のディテールとして受け継がれています。
Wranglerの広がり
1950年代~70年代にかけて、
Wranglerはアメリカ西部のワークウェアから
一般的なカジュアルウェアへと拡大。
リーバイスやリーが若者文化(ロック・ヒッピー)と結びついたのに対し、
Wranglerは「カウボーイ」「ワーク」「リアルアメリカ」
というイメージを強く打ち出しました。
特に1970年代以降はヨーロッパにも進出し、
日本でも古着市場を中心に人気を集めています。
Wranglerの魅力
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リアルワーク由来のタフさ
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ロデオやカウボーイカルチャーとの結びつき
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アメカジの王道を感じられる一本
Wranglerは
「リーバイスやリーに比べると少し通好み」と
言われることもありますが、
そこが逆にファッション好きに支持される理由でもあります。
Wranglerデニムジャケット「大戦モデル」について
ヴィンテージ・ラングラーの世界では、第二次世界大戦の影響を受けたとされる 「大戦モデル(戦時モデル)」 という呼び方が存在します。
これはリーバイスなどと同様に、戦時中の資源制約や生産簡略化の影響で、通常の仕様よりも装飾や補強が省略されたデニムジャケットを指すことが多いです。
大戦モデルの特徴
ラングラーのジャケットにおける「大戦モデル風仕様」の代表的なディテールは以下の通りです。
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金属部品の簡素化:リベットやボタン刻印を控えめにしたり、省略する例あり
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ステッチ数の削減:本来ダブル・トリプルで入る部分をシングル化
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補強布の省略:肩・ポケット裏などの補強を最小限に
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装飾の削ぎ落とし:胸ポケットの飾りステッチやペン差し穴を省略
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タグ・ラベルの簡略化:ブランド刻印やデザインが簡素なもの
これらは「コストカット」「軍需優先」という時代背景を反映しており、ヴィンテージファンにとって大きな魅力ポイントになっています。
実物のイメージ(参考画像)
以下は、海外オークションやヴィンテージ市場で見られるWranglerのジャケット例です。
これらはいずれも「大戦モデル」と
明記されているわけではありませんが、
省略的な仕様をもつヴィンテージ品の参考になります。
まとめ
ラングラーの「大戦モデル」は、リーバイスに比べれば知名度が低いですが、
装飾の少なさや簡素な仕様が
逆にヴィンテージ愛好家に評価されるポイントです。
市場価値は状態・仕様の正確さにより上下しますが、
珍しい「大戦モデル風」の個体はコレクターから高値が付くこともあります。
Wranglerは1947年に誕生し、
カウボーイやロデオに寄り添ったデニムブランド
として成長してきました。
リーバイスやリーが築いた若者文化とは違う
「リアルワーク」「西部の男たちのジーンズ」という
独自の立ち位置を確立しています。
古着市場でも人気が高く、
特に「11MWZ」や「13MWZ」などの
オリジナルモデルは価値ある一本です。
アメカジ好きならぜひ知っておきたいブランド、
それが Wrangler(ラングラー) です。





