🔎 はじめに
今回ご紹介するのは、
タグやパッチが一切存在しない
「ノーブランド」のセルビッチデニムジーンズ。
セカストで1500円で買いました。
しかし、ディテールを見ると
ただの無名ジーンズではありません。
日本製レプリカジーンズの文脈をしっかりと踏襲した、
マニアックな一本です。
それでは、細部の写真をもとにじっくり観察・検証していきましょう。
📸 全体のシルエットと色落ち
スリムストレート寄りのシルエットで、
モモから膝にかけて自然な色落ちが出ています。
着用感はありますが、破れやリペア跡は見られず、
綺麗な縦落ちも確認できます。
バックスタイルもシンプルで、バックポケットのステッチは無し。
アーキュエイトなどの装飾も一切ない無骨なスタイルです。
🧵 ディテール観察①:赤耳・チェーンステッチ
セルビッチ(赤耳)仕様で、裾はしっかりとチェーンステッチ。
これは、ヴィンテージのリーバイス501XXを復刻したモデルで
よく見られるディテールです。
また、コインポケットにもセルビッチの耳付きが確認できます。
こうした丁寧な縫製仕様は、
国産レプリカ系ブランドによく見られるポイントです。
🧵 ディテール観察②:月桂樹ボタンとジッパー
トップボタンは、ミリタリー系ジーンズやレプリカブランドでお馴染みの月桂樹ボタンを使用。
無刻印ながらも、クラシックな印象を強める重要なディテールです。
さらに注目はジップフライ仕様。ジッパーには…
「UNIVERSAL Kentucky U.S.A」 の刻印が。
これは、アメリカ製のUNIVERSAL社製ジッパーで、
60年代〜80年代のワークパンツやジーンズに使われていたもの。
復刻モデルでもたびたび採用されています。
🧵 ディテール観察③:パッチ・リベットなしの無骨さ
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ブランドパッチ・内タグ類は完全に無し
-
リベットやボタン裏の刻印も無し
このあたりから「大手ブランド品ではない」ことがはっきり分かります。
しかし、ポケットの袋布はしっかりツイル生地、
縫製も丁寧でチェーンステッチあり。
大量生産品ではなく、小ロット・マニア向け製品の可能性が高まります。
🏷️ ブランドの推定
ここまでのディテールをもとに推定すると、
このデニムは以下のような特性を持つ製品と一致します:
特徴 | 備考 |
---|---|
セルビッチ(赤耳) | 国産レプリカ系に多い |
チェーンステッチ | 本格派ジーンズの証 |
月桂樹ボタン | ミリタリー/クラシック系レプリカ |
UNIVERSALジッパー | 復刻・マニア仕様に多用される |
ノンブランド | セレクトショップ別注、または個人製作系か |
想定されるブランドまたは系統:
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WAREHOUSE(ウェアハウス)
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SUGAR CANE(シュガーケーン)
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JELADO(ジェラード)
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TCB jeans
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セレクトショップオリジナル(BEAMS別注、JOURNAL STANDARD企画など)
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もしくはマニアの自主制作モデル
💡 まとめ:名もなき名作ジーンズ
ブランド名が無くても、
ディテールの積み重ねから見える「こだわりの設計」。
このジーンズは、大量生産にはない温かみと、職人気質が見える一本です。
「セルビッチ」「月桂樹ボタン」「UNIVERSAL ZIP」といった
ディテールが好きな方には、
非常に刺さるのではないでしょうか。