1904年創業の老舗アウターブランド
「SPIEWAK(スピワック)」
欠かすことができない存在です。
第一次世界大戦では、
すでにアメリカ陸軍・海軍へジャケットを納入。
その後も北極・アラスカといった極寒地域の探検隊、
作業員、さらにはアメリカ警察など、
過酷な現場で働く公的機関から高い信頼を得てきました。
代表モデルは、
N-3B・N-2B・B-15A・CWU-55、
ポリスジャケット、タイタンクロスジャケット など。
ミリタリー好きにはお馴染みのラインナップばかりです。
一般的にミリタリーウェアといえば
ALPHA、AVIREX などが有名ですが、
今回はあえて “スピワック” について。
■ スピワックには3つのシリーズがある
① GOLDEN FLEECE(ゴールデンフリース)
昔ながらの製造工程を守り、
現在はカナダで生産される最上級ライン。
耐久性・ディテールの再現度ともにスピワックの最高峰。
② SPIEWAK NEW YORK
ゴールデンフリースよりやや廉価ながら、
機能性・デザイン性は十分。
とはいえ、
日本で見かける多くは GOLDEN FLEECE です。
最近ではアパレルブランドとのコラボも増え、
再び注目が高まっています。
■ スピワックといえば「タイタンクロス」
スピワックを象徴する素材が
TITAN CLOTH(タイタンクロス)

極寒地での作業を想定した厚く丈夫な織地で、
防寒・防水・防風・防雪 に優れた機能素材です。
米軍・警察関係者はもちろん、
アラスカパイプライン作業員や航空会社の整備士など、
多くのプロフェッショナルが着用してきました。
■ 今回紹介するのは、私物の N-3B
タグの仕様から判断すると 90年代製。
もちろん生地はタイタンクロス。
● コヨーテファー
フードには天然のコヨーテファーが使用されています。
零下30℃でも凍らないという特性は、
極寒地での性能をよく表しています。
● USA製・IDEALジッパー
無骨で存在感のあるIDEALジップ。
官給品でよく見られるTALONやSCOVILLではなく、
民生用モデルらしい仕様。
● 極寒地用ラベル
タグには “Genuine Fur Ruff(本物の毛皮)” の表示。
もちろん絶滅危惧種ではありません。
なお、レプリカや民間向けモデルの場合は、
“MADE IN USA” の原産国表示 が必ず入ります。
■ 少し思うこと…
最近は ALPHAだけでなく、VANS・コンバースなど、
多くのブランドで“ライセンス品” が増えています。
流れとしては自然なのですが、
やはり少し寂しくも感じてしまうところ。
現行モデルはスリムフィットでサイズ感は良いのですが、
耐久性・暖かさはヴィンテージの方が圧倒的。
年代物はサイズ探しが大変ですが、
やはり Made in USA の雰囲気と安心感は別格です。
・Levi’s は USA製
・Converse は CT70
・VANS は アナハイム
・Champion は USモデル
こんな「こだわりのオジサン」になりたいものです。
■ 今回の N-3B を詳しく解説
1. ブランドとモデル
SPIEWAK(スピワック) / Golden Fleeceライン
1904年創業の老舗アウターブランドで、
米軍・警察・公共機関などへの納入実績が多数。
特に Golden Fleece はスピワックを
代表するミリタリーシリーズ
N-3B(Extreme Cold Weather Parka) は、
1950年代から
米軍航空機搭乗員向けに採用された極寒地用パーカーです。
2. 年代判定ポイント
内側の青い織ネーム
→ 1980年代後半〜90年代の民間向けモデル
に多く見られるデザイン
タグに “MIL-J-3786J” とありますが、
これは “ミルスペック準拠したコマーシャルモデル” と
判断できます
本物の官給品であれば
DSA / DLA / NSN といった契約番号が必ず入るためです。
3. ディテールの特徴
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天然ファー(Genuine Fur Ruff)
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ミリタリー風の大型ジップ(IDEAL)
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光沢ある化繊キルティング(80s後半〜の量産モデルの特徴)
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オリジナルに忠実なロング丈・極寒仕様のシルエット
4. まとめ(今回の個体)
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ブランド:I. Spiewak & Sons, Inc.
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ライン:Golden Fleece
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モデル:N-3B / Extreme Cold Weather Parka
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年代:1980年代後半〜1990年代
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分類:民生用(ミルスペック準拠)
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原産国:Made in USA
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仕様:天然ファー、厚手ポリエステル中綿、ドライクリーニング指定








