DIGman VINTAGE

DIGman VINTAGE

ディグってきた古着の話

Wrangler ヴィンテージ ランチコート

― 70〜80年代USA製、無骨さと実用性を兼ね備えた一着 ―

■ はじめに

 

デニムジャケット、ダウン、ミリタリー。
冬の定番アウターは数あれど、
**「人と被らず、ちゃんと古着らしい一着」**

を探すと、意外と選択肢は少ない。

 

そんな中で、静かに評価を上げているのが
Wranglerのヴィンテージ・ランチコートです。

 

派手さはありません。
でも、手に取ると分かる
作りの良さ、実用性、そして時代の空気感

 

今回は、70〜80年代に作られたUSA製の個体をもとに、
このジャケットが

なぜ「今」注目されているのかを掘り下げてみます。

 


■ ブランド背景:Wranglerとは?

Wrangler(ラングラー)は1947年、
カウボーイやロデオ競技者のための

ワークウェアブランドとして誕生しました。

 

Levi’sが「金鉱労働者」、
Leeが「鉄道労働者」をルーツに持つのに対し、

 

Wranglerは
西部開拓・牧場・カウボーイ文化
を色濃く反映したブランドです。

 

そのため、

  • 動きやすさ

  • 防寒性

  • 過酷な環境での耐久性

を重視したアイテムが多く、
今回のランチコートも

その思想が色濃く表れています。

 

 

 

 


■ 年代について

結論:

1970年代後半〜1980年代前半(USA製)

年代判別のポイント

  • MADE IN U.S.A. 表記

  • 白地に青ロゴのWranglerタグ(70s後半〜80s初期に多い)

  • 洗濯表示が比較的シンプル

  • 品番「982」から始まるワーク系モデル

これらの特徴から、
現在から約40〜50年前のヴィンテージと判断できます。


■ ランチコートとは?

「ランチコート(Ranch Coat)」とは、

牧場(ランチ)での作業用に作られた
防寒性の高いワークジャケットのこと。

 

特徴は:

  • 裏地にボア(シェルパ)を使用

  • 着丈はやや長め

  • 風を防ぐためのしっかりした作り

 

Levi’sの「サドルマンコート」や
Leeの「ストームライダー」と同系統ですが、

Wranglerは
より無骨で実用性重視な印象が強いのが特徴です。


■ ディテール解説

● 表地:コーデュロイ

デニムではなくコーデュロイを使用している点がポイント。

  • 保温性が高い

  • 冬らしい素材感

  • ワークウェアながら上品さもある

当時のWranglerらしい
「実用性+ファッション性」のバランスが光ります。


● 裏地:ボア仕様

内側は全面ボア(シェルパ)仕様。

  • 70〜80年代らしい厚み

  • 現行品にはないボリューム感

  • 真冬でも対応できる防寒性

この“モコモコ感”こそ、
ヴィンテージランチコートの醍醐味です。


● フロント:スナップボタン

フロントはスナップボタン仕様。

  • グローブをしたままでも開閉しやすい

  • 作業着としての合理性

細かい部分ですが、
「本気のワークウェア」だった証拠でもあります。


● シルエット

  • 着丈は腰下までしっかり

  • 身幅にゆとりあり

  • 重ね着しやすい設計

現代のファッション視点で見ると、
今っぽいボックスシルエットに見えるのも魅力です。


■ なぜ今、評価されているのか?

  • USA製ヴィンテージが年々減少

  • Levi’s一強からの“次の選択肢”

  • 被りにくいWranglerのワークアウター

  • 実用できるリアルクローズ

特にランチコートは
「着られるヴィンテージ」として再評価が進んでいます。


■ まとめ

このWranglerのランチコートは、

✔ 70〜80年代USA製
✔ 本来は牧場作業用のリアルワークウェア
✔ 無骨さと温かみを兼ね備えた一着

 

派手さはありませんが、
**長く付き合える“本物の古着”**です。

 

流行に左右されず、
これからも静かに価値を保ち続ける、
そんなヴィンテージアウターだと思います。

 

こういった服のルーツを知ると

少し見え方も変わって

違う楽しみ方が出来て良いと感じました。