セントアンナの奇跡 | 蘭のブログ

セントアンナの奇跡

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163分という長さを感じさせない映画でした。
R15ということですが、事前に内容を知らずに見たので、激しい戦闘シーンや村人虐殺のシーン
では飛び上がってしまいました。村人虐殺は史実に基づいているそうですが、戦争の残虐さを
充分見せつけられました。

1983年ニューヨーク。町はクリスマスで賑わっています。プレゼントを贈る人、カードの切手を
求める人で郵便局も混雑しています。切手を買いにきた初老の男性が、突然郵便局員に銃で射殺
されるところから話が始まります。
郵便局員ヘクターの捜査をするうちに、彼の家の中から歴史的に重要なイタリアの彫像の頭部が
出てきます。カフェでコーヒーを飲んでいた紳士が新聞でヘクター逮捕の記事を読み、コーヒーを
こぼしながら駈け出して行きます。
これらの事件を解くカギは1944年第二次大戦下のイタリアにまで遡ります。

そういえばベトナム戦争を扱った映画では黒人兵を当たり前のように見ましたが、第二次大戦で、
しかもヨーロッパで黒人兵が出てくるものを見た記憶がないような気がします。
でも当然第二次大戦でも黒人兵はいたのですよね。
黒人兵の部隊を投入することを「実験」と称する上官。彼らにとって黒人兵は消耗品にすぎません。
自国では激しい差別を受け、しかしその自分たちを差別する国を守るために闘わなければならない
という矛盾。

彼らは遠い異国イタリアで、差別を知らないイタリア人たちにより初めて人間的な扱いを受けます。
「生まれて初めて人間らしく生きられる。とても穏やかな気持ちだ。」と言うビショップたち。
サムに助けられる少年アンジェロも黒人を知らずサムのことを「チョコレートの巨人さん」と
呼びます。顔をペロリと舐めて「甘くないや」というところ、印象的でした。
アンジェロにとってサムたちは黒人兵ではなく、彼と一緒にいてくれる友達であり仲間なんだよね。
知らなければ差別は生まれない。自分を差別する国のために闘うとは何なのか。
スパイク・リー監督の伝えたいことはこれですね。

いたいけなアンジェロ少年が可愛く上手でした。