BOY A | 蘭のブログ

BOY A

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2008年 イギリス
監督:ジョン・クローリー

数年前、とんでもなく恐ろしい事件を起こした少年(当時)が、家の近くの更正施設に送られてきていて、最近そこから出所し近くに住んでいるらしいと噂になり、みんなで「怖いね」とか 「嫌だね」と話していたのを思い出しました。

 少年の時に犯した罪を償い、10年の時を経て社会復帰したジャック。名前を変え経歴を変え、全く違う人生を生き直そうとする。
生まれて初めて本当の恋をし、その相手に真実を告げることができないことに激しい 苦しみを感じる。
一度罪を犯してしまった者が過去を消し生き直すことは可能なのか…。
とても難しいテーマだと思います。

 この映画では、ジャックがあまりにも優しげで穏やかで一生懸命で、笑顔が魅力的なものだから、世間がそれを許そうとしない現実を厳しすぎるのではないかと思ってしまうけれど、実際には、職場の友人や恋人の取った態度の方が当然の反応なのではないかと思うのです。
ジャックの場合は一緒に罪を犯した仲の良い友人が、家庭環境の悪さが原因とはいえかなりのワルに描かれていたし、ジャックの家庭も問題があるようだったので、余計に彼に同情する目線になってしまうのですが。

自分が更正し生き直したいと望んでも、世の中はそれを容易には許さない。これを憂えるかのような作り方になっていますが、被害者の立場や隣に住むことになるかもしれない自分の身に置き換えてみれば、一度罪を犯した彼への態度は致し方ないのではないかと思うのです。
なんとも救いのないラストに胸が痛みますが。

それ故、冒頭で見せるジャックの、仮釈放の嬉しさを押さえきれないような笑顔がとても印象的でした。