ぜんぶ、フィデルのせい | 蘭のブログ

ぜんぶ、フィデルのせい

イメージ 1

監督:ジュリー・ガヴラス イタリア/フランス 

1970年パリ。9歳の少女アンナ(ニナ・ケルヴェル)は名門カトリック女子校に通うお嬢様で、何不自由なく
暮らしています。
家族はスペイン貴族階級の出で弁護士の父(ステファン・アコルシ)と雑誌記者の母(ジュリー・ドパルデュー)、そして
弟のフランソワ(バンジャマン・フイエ)の4人。
そこへスペインでフランコ政権に対する反政府運動を行っていた伯父が亡くなり、逃げてきた叔母と
その娘が一緒に暮らすことになります。
これをきっかけにアンナの両親は共産主義的思想に目覚め、アンナの生活にも変化が出てきます。
両親は年中家を留守にしどこかへでかけてしまうし、学校でアンナは大好きな宗教の時間への
出席を禁じられるし、慣れ親しんだメイドはクビになるし、狭いアパートへの引っ越しを余儀なくさ
れるし。アンナはそれもこれもみんなフィデル・カストロという人が原因らしいと知ります。

ドゴールの死後アジェンデ政権になりそれが崩壊していく激動の70年代のフランスで、アンナは子供
なりにことの成行きを理解しようとします。
重くなりそうな政治の動向を、子供の目を通して見ることで時にはトンチンカンな理屈で理解したり
して面白く引き込まれてしまいました。

何といっても弟のフランソワ(バンジャマン・フイエ)がかわいらしくて!深刻なやり取りもフランソワの
一言で救われます。

共産主義の人々を「赤くてひげがあって神を恐れず、引っ越しばかりの人たち」と説明していた
アンナは、「誰でも間違うことがある。自分が正しいと思ったことは貫かなければならない。」
ということを、団結と人まねを混同しながらも学び成長していきます。
アンナは始終ふくれっ面をしていますが、ラストで転校した公立小学校でにっこり笑って友達の輪の
中に入って行きます。子供は親の選んだ生き方を拒否できないけれど、アンナは自分で考えこれからも
しっかり生きていけそうでホッとしました。

久しぶりに子供が子供らしく描かれている映画を見た感じです。
アンナ役のニナ・ケルヴェルもとても上手。膨れたほっぺたがかわいいです!
勝手な行動で子供たちを振り回す両親も、家出した二人の気持ちを理解しようとしたり、子供達には
温かく接している父母に描かれているので救われます。