アメリカン・ギャングスター | 蘭のブログ

アメリカン・ギャングスター

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2007年、アメリカ
監督:リドリー・スコット


157分と長めの作品ですが、スピード感あふれ時間を感じさせず、ラストまであっという間です。
エンドロールが流れだすと席を立ってしまう方も多いことと思いますが、この映画は是非最後まで
席を立たないことをお勧めします。最後におまけ(?)のシーンがありますから…。

1970年代のニューヨーク。新しく黒人ギャングのボスになったフランク(デンゼル・ワシントン)は
東南アジアから直接ヘロインを購入し、中間マージンを省いた独自ルートを開拓することで、安価で
良質の「ブルー・マジック」というブランド名の麻薬を売り出し成功していく。
一方、汚職のまかり通っている警察内で、馬鹿正直に押収した大金を届け出たり賄賂を受け取らな
かったりと、正義感が強いがゆえに組織からはみ出している刑事リッチー(ラッセル・クロウ)。

フランクはギャングであるにも関わらず、私生活はいたって規則正しい。
信心深く、家族を大事にし、毎朝5時には起床し、決まったダイナーで決まった時間に朝食をとる。
午前中は各事務所をまわり、一日のスケジュールがきちんと決まっています。
新しいビジネスの発想と行動力はさながらやり手のビジネスマンのようです。そして自分では麻薬を
やりません。
安価で良質の麻薬を売ることは、商売としては正しく消費者(?)にとって良いことのように思われ
ますが、これは強度の麻薬により中毒症状で命を落とす人の数を増やすことにもなるのです。
また、市場を独占することにより、周りのギャングとの軋轢も出てくるし仕事を失う者たちも多数でて
くるという問題も抱えています。
どちらも、もともとがまともでは無いのですが…。

刑事のリッチーは正義感が強く、今は弁護士になるべく勉強中ですが、私生活は至ってだらしなく、
女性問題が絶えず離婚訴訟問題を抱えていて、自分の子供にも会わせてもらえません。
見てくれは風采が上がらない中年男性なのですが、キレの良い仕事ぶりでどんどんカッコよく、
存在感が出てきます。

リッチーが「ブルー・マジック」の大元であるフランクを突き止め摘発するまでの大立ち回りが、
迫力満点で息をのみます。パキパキと音がするような歯切れの良いカメラワーク。
甘美さや回りくどさを一切排除していて見ていて気持ちが良いです。

フランクとリッチーは生きる世界は違うもののお互いの仕事ぶりや人格を尊敬し合い、出会う場さえ
違っていれば本当の意味で良きパートナーになっただろうと思えるラストでした。