ボーン・アルティメイタム | 蘭のブログ

ボーン・アルティメイタム

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2007年 アメリカ  監督:ポール・グリーングラス



「ボーン・スプレマシー」の続きである雪の残るモスクワのシーンからはじまります。
ボーンはマリーを失った辛さを引きずったまま、しかしマリーの希望である「自分の犯した罪を
償う」ために自分の過去を知り過去に立ち向かおうとします。

ワンカット5秒ほどの短いショットを次々とつなげ合わせ、臨場感あふれ最初から最後までまったく
息付く暇なく引っ張っていく手法に脱帽です。最後まで力を入れっぱなしで見てしまいました。
身じろぎする間も無かったです。
大勢の人が行きかう駅の構内で暗殺者に狙われ、モロッコの狭い路地でバイクでの逃走とアパート
からアパートへ飛び移り追跡するシーンと、ニューヨークでの前作よりさらに派手なカーチェイス
・・・と大きく3か所の見せ場に酔います。

どんな人混みでも即座に敵を見つけ出すボーンの動物的なまでの勘が素晴らしい。
ボーンの全く無駄の無い動き、次にどうすべきか即座に判断し的確に行動する姿は見ていて惚れ惚れ
します。銃を使わずほとんど素手で戦うのもいい。

アイデンティティーよりもスプレマシー、スプレマシーよりもアルティメイタムと回が進むごとに
面白さが増すという映画も珍しいかもしれません。前作から3年も経っているとは思えないつながり
の良さ、そして迫力。

スプレマシーでもそうでしたが、今回も女性との色恋を全く封じたというセンスが何より良かった。
ここまで来てみるとアイデンティティーのマリーとの恋はボーンが過去を知りたいと強く願う理由付け
として必要不可欠だったのだなと思います。
いかにも有能そうなパメラ、今回ボーンの味方につくニッキー、と女性陣がとてもサバサバしていて
カッコよく描かれていたのも嬉しかったです。

マリーの兄役でダニエル・ブリュールがワンシーンだけ出てきます。何作も主役級を張っているよう
な役者なのにこのワンシーンだけの出演…なんと贅沢。

自分が何者であるか、そして記憶をなくす前に何をしてきたのか、はっきり知った今、ボーンはボーン
になる前の人間らしい自分に戻り、自分の犯した罪に正面から立ち向かっていこうとする覚悟と希望の
見えるラストでホッとしました。