たんぽぽのお酒 (レイ・ブラッドベリ) | 蘭のブログ

たんぽぽのお酒 (レイ・ブラッドベリ)

イメージ 1

『たんぽぽのお酒』    レイ・ブラッドベリ   (1971年初版)



イリノイ州グリーン・タウンに、また今年も夏が来た。
ダグラス・スポールディングは12才。朝早く目覚めたは彼は夏の気配を感じ取り「いいぞ!」
と小声で言った。
まるまるひと夏が、カレンダーから消されるのをまっているのだ。

輝く夏の陽射しの中をそよ風にのって走る12才の少年ダグラス。
野イチゴをつみながら突然生きている喜びが突き上げてくる。
多感な心に刻まれる数々の夏の儀式と不思議な事件と夢を夏の初めに仕込んだ
たんぽぽのお酒の一瓶一瓶にたくして、きらめくような言葉でえがいた、
少年の日の愛と孤独と死と成長の物語。


少年の日の多感な心を描かせたら、右に出るもののいないブラッドベリの作品の中でも
「たんぽぽのお酒」はそのきらきらした描写がいちばん素晴らしい作品だと思います。

生きている事への無条件の喜び、そして闇への恐怖、過ぎていってしまう時間への悲しみ、
など、少年の心の動きや感じ方の表現がとてもいいです。

これはブラッドベリの作品の中で、私が一番好きなお話です。
というか、今まで読んできた本の中でも一番かもしれません。

夏のこの時期に読むのにピッタリの1冊だと思います。