世田谷線の沿線に書道教室を構え、西岡新宿の三日月ホテルの筆耕士に登録している遠田と
三日月ホテルの従業員、続力(つづきちから)
遠田の気さくな人柄にみるみるうちに惹きつけられて、続は代筆業の片棒まで担ぎます。
2人が仕事の枠を越えて少しずつ親交を深めて行くストーリー
美しい字にあこがれますが、
私は書道は苦手(^^;;
子どもの頃、学校の書道の時間は大嫌いな時間でした(笑)
でも、墨をする作業と墨の香りはなんとなく心が落ち着いて…書かずに墨をするだけにさせてもらえないかしら?といつも思っていました。
遠田先生のような大らかな先生に
教えてもらっていたら、少し違っていたのかも?
なんて考えてしまいました。
作中に引用されている劉商の漢詩「王永を送る」
も印象的でした。
学生時代の漢詩の時間は、読むだけで精一杯で味わうまで到達しなかったのですが、
今はなんとなく、その魅力がわかるようになりました。
墨の香りは「鉱物と植物が混ざったような香り」
サクサクッと読める心温まるストーリーでした。
読了後に改めて眺めた表紙は墨色、
そして対照的に見返しは春の野山を思わせる薄桃色の装丁でした。
📗
関東地方は今日、梅雨が明けましたね✨
先日、梅雨の晴れ間に箱根美術館へ行きました。