児玉清さんが、
もの心ついてから
毎日欠かさずしていたことは、
読書だそうです。
読書だけは、
一日も欠かしたことがないとか。
本当に本の虫ですね。
そして、
児玉さんは、
本を読むことが
好きなだけではなく、
本自体も大好きだったそうです。
だから、
本を捨てたり、
本を誰かにあげたりすることは
できないと……。
でも、
そんな児玉さんが、
一度だけ本を捨てたことが
あるそうです。
引っ越しをして、
奥さんに本を捨てるようにせがまれ、
蔵書の一部を捨ててしまったそうです。
古い岩波文庫の全てと
単行本を数十冊。
岩波文庫は焦げ茶色に変色し、
文字を読むことが
できなかったそうですが、
それでも、
その本にまつわる深い思い出が
沈着していて、
本を捨てたことを
酷く後悔したそうです。
故・井上ひさしさんには、
13万冊の蔵書があったそうです。
それらの本のせいで
家の床が抜けたとか。
児玉さんは、
床こそ抜けなかったけれど、
家を傾けてしまい、
その点を奥さんに突かれて
本を処分してしまったのだそうです。
僕も本が捨てられません。
児玉さんと同じで、
一度だけ本を大量に処分し、
悲しい思いをしました。
井上さんや児玉さんには
遠く及びませんが、
恐らく蔵書は
万には達しているのではと
思います。
ちゃんとした家のない僕は、
この先蔵書をどうするのでしょう?
自分でも全然分かりません。
そのうち、
本たちに責められるかも……。