Aさんと話終わりスマホから見守りカメラを覗くと夫とユウちゃんは既に寝室をあとにしていました。
会社なんか休んだらいい。
どうか変な気を起こさないで。
どこにも行かないで。
そんな私の不安をよそに、その頃夫はアサくんに会いに行こうとしていたようです。
「未就学児は面会できないのでユウちゃんを産婦人科の病室で預かってくれないか」と連絡がきました。
よかった、夫もアサくんに会いたいと思ってくれてた。
こわいけどやっぱり心配なんだよね。
夫なりに葛藤しているのが伝わりました
気持ちわかるよ、私も同じ気持ちだよ。
改めて、この人となら普通に普通にアサくんを育てていくことができるかもしれない、そう思い少しホッとしました。
それから私の退院まで3日間、夫は一人でGCUに通いデジカメで撮影した写真を送って見せてくれました。
そして私の退院日。
この日もほとんど寝付けないまま迎えた朝。
それでもお世話になった病棟のみなさんと笑顔でお別れしたくて、シャワーで涙を流してから帰り支度をしました。
あらかじめ決めていた時間に夫が迎えにきて重たい荷物を持ってもらいました。
ここでほんのり不機嫌オーラを漂わせる夫。
気が付かないふりをしてエレベーターホールに向かいました。
帝王切開でアサくんを取り上げてくださった先生をはじめ、お世話になった助産師さん達。
「絶対に一人で悩まないで電話して!いつでも遊びに来て!」と温かい言葉をかけていただき、涙目になりながらも和やかに見送られ病院を後にしました。
ここでも夫はひと言も発することなく、エレベーターの扉が閉まるまでの間もお見送りの皆さんに会釈ひとつしないのでした。
ここでもまた気が付かないふりをしました
退院日に着せようと持ってきたセレモニードレスです。これを着て一緒に退院する予定だったのに…と辛かったです。
続きます。