サービスの「モノ」化 | Spice up everyday

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(株)スパイスアップ 代表 経営コンサルタント 望月啓子のブログです

6月は引っ越しに始まり引っ越しに終わりましたが、
不動産屋さん、リフォーム屋さん、引っ越し業者さん、ケーブルTV等々
いろいろな営業マンにお会いすることができ、なかなか勉強になりました。

中でも、引っ越し業者さんのプレゼンにはいろいろ考えさせられました。

最近よくお手伝いしているアロマテラピーやエステティックサロンのサービスも同じなのですが、
引っ越しの技術やサービスそのものには、形がありません。
言葉でどんなにアピールされても、正直やってみないとわかりません。

やった結果として満足のいく技術力を身に付けておくことは大前提として、
受注をいただく前段階では、
お客様にとって、他社とはっきり比較できるのは値段だけ。

それ以外でどう差別化するのか…という目線で見ると、
「モノ化」というキーワードが浮かんできました。

例えば、サカイ様のパンフレットには、
「あえて過酷な条件で設計された研修棟で、実践的研修を実施しています」
研修の様子が写真と共に紹介されていました。

個人的に「あえて過酷な条件で…」という表現が気に入り(笑)、
「すごいですね~、研修用の家まで建てているんですか」と言うと、

「そうなんです。こんな研修棟まで立ててやっているのは日本でうちだけなんですよ」
と営業の方が自慢気におっしゃていました。

おそらく、厳しい条件で研修を行っている企業は他にもあることと思いますが、
「研修棟」という「モノ」があることで、他社との違いがわかりやすくなります。

日通さんの「えころじこんぽ」なども、独自に開発した「モノ」で、
効率と環境問題に配慮しているという企業姿勢を伝えることに成功している。
うーん、さすがだなあ…と感じました。


ということで、形がないものほど、「モノ化」することが必要だなあ、と思ったのですが、
「モノ化」にはコストがかかり、中小企業にはなかなか難しい。


そこで、他社と差別化しようと思ったら、やっぱり「人」という結論に至りました。

言い方は変ですが、まずは社長の「モノ化」です。

社長のお顔、ご経歴、仕事や社会に対する姿勢、思い。
当たり前ですがこれらは他の企業にはないオリジナルです。

どこかから借りてきたような言葉ではなく、
自分の本気の思いを伝えること。

それが、他の会社ではなくこの会社に頼みたい、という「差別化」に
つながる可能性は非常に高いと思います。

実際、私はそうやってお付き合い先を選ぶことが結構多いです。


ただし、社長の思いは素晴らしくても
実際にお客様を担当する社員に十分に伝わっていないと
必要以上にガッカリされるので普段からのコミュニケーションを大切に!!

よさそうな会社の営業マンに何度も遅刻され、
結局お願いしなかったことを一応書き加えておきます…。