怖すぎて、
その時の焦りようは尋常じゃなく、
こりゃ本気でこのバス落ちる・・
そう思った。


ナガルコットから12km離れた小さな町サンクーまで、片道2時間半のハイキングに出かけた。
田園風景と段々畑、
田舎の景色に癒されながら、
下り続ける。

でも、途中からどす黒い雲が現れて、
嵐の前触れのような予感。
町の散策を切り上げて、バスでナガルコットまで戻ることにした。


あたしたちの判断は正しくて、
バスが走り出してすぐにヒョウが落ちてきた。あぁ、びしょ濡れにならずにすんだ!と思って安心したところで、
事件は起きた。


山道って言っても、
そこはアスファルトもなく、
単なる細い砂利道。
もちろん舗装されてるわけもなく、
雨の日はバスは危険だから走らないらしい。

そんな道を走ってるこのバス。




斜面を上ろうとして、
泥にはまってしまった。



キュルルルルー




はまってしまったタイヤに
勢いをつけようと空回り。
それが逆効果で、今度はハンドル取られて急にバックし始めたけど、左側、完全に崖でございます。



運転手さんも抵抗するものの、
バスのおしりは左方向へと・・・


こりゃ、まぢでやばい。


だってね、左の窓側に座ってるあたしの席から見えるのは崖だよ。
落ちたらサヨナラは確実。

あたしの席からもはや崖しか見えない。
もう、笑ってる余裕もなくて、
顔が強ばって硬直。

それでもタイヤがはまったまま、
何回もトライする運転手。

その度に左側に
バックしてしまうバス。
怖いでしょ?
左側崖で、左側にバックしてくるバスの最後部座席にいるのは、
ワタクシ、スピカ!
誰よりもまっ逆さまに行くのはアタシじゃーん!!!


ムリムリー!

まぢムリムリー!




このままバスに乗ってるわけにもいかず、『とりあえず降ろして!』


それだけ言って、
他の乗客と共にバスを降りた。


もちろん、そのバスはそこから抜け出せず、あたしたちは雨に打たれて歩いて戻ることになったけど、
崖から落ちそうなバスに乗ってるよりも100倍安心できるよね。



あぁぁ、怖かったぁぁぁぁー!




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