たまたま通りかかったジュエリー屋さん。
そこで出会ったオウム。
彼はワックスコードと天然石を使ってジュエリーを作っていた。
「あたしもジュエリー作るんだよ」
と言うと、とっても嬉しそうに、
「じゃあ、お互いのスキル交換しない?」って話になり、
あまりにもいい話だったから、ちゃんと確認のため、
「これはお互いの技術交換だから、フリーだよね?」って言うと、
「もちろん!僕たちは友達だからね」とオウムは言った。
オウムもあたしも興奮状態だった。
次の日、約束の時間に行くと、
あたしを見てオウムも喜んでくれた。
先にあたしからのレッスンが始まった。
ワイヤーを使ったこともなければ、アクセサリー用のペンチやらのツールを使ったこともない。すべてをハンドメイドでしてきたオウムにとって、
あたしのレッスンは何もかもが初めてだった。

それでも、やっぱり普段からアクセサリーを作ってるだけあって、
オウムの覚えの速さと正確さには感心した。
初めての人とは思えないくらい、とてもきれいに仕上がったピアス。
全くテイストの違うあたしのジュエリーを喜んでくれた。

今後の練習のためにも余分に材料が欲しいと言われ、喜んであげた。
「じゃあ、次はあたしの番だね!先生よろしくね」
そう言うと、オウムの様子が少しおかしくなった。
「今さ、お客さんが来る時間帯だから、夕方また来てくれない?」
あたしはオウムとの約束を守るために、
友達との遺跡巡りも断って戻ってきたのに、
ちょっと勝手な発言にイラっとした。
「オウム、あたしこの約束のためにほかの友達との約束も断ったんだよ。
また夕方来てって言われても困るよ」
そう言うと、渋々OKした顔で
「じゃあ、君が作りたいもの選んでいいよ」
と、壁のジュエリーを指差した。
一番簡単そうなものを指差して、これがいいかなーって言うと、
棚からゴロゴロ大きな天然石を出してきた。
石を使わないといけないのは分かるけど、どれもこれも大きなものばかり。
絶対にこれは高いんだろうなって思うものばかりだったから、
念のため、
「これ、高いんじゃないの?」
って聞くと、オウムは黙り込んだ。
しばしの沈黙の後、
「君は友達だから安くするよ。350ルピーでどう?」
と言ってきた。
あたしは天然石を買う必要もないし、自分の好意で材料もあげたのに、
彼にそのことを言うと、
君の材料すべてでいくらする?僕のは本物の天然石でこんなに大きいんだよ。
何かがあたしの心の中で崩れ落ちた。
「オウム、あたし石は欲しくないよ。これは二人のスキル交換でしょ?
あたし、必要ないものは買いたくないよ。ただ、あなたのレッスンを受けたくてここにいるんだよ」
悲しげな顔で言うと、オウムは、
「お願いだから、また夕方戻ってきてくれない?
君に悪いことは絶対にないし、裏切ることもしないから。2時間半のレッスンをするからさ、お願いだよ」
崩れ落ちたあたしの何かは、きっと彼に対する「信用」だった。
あんなに興奮して、二人で喜んでいた前の日からの逆転サヨナラ裏切りホームラン。
「いい友達になれるね!」って、二人で話してたのに、
結局そこにあったのは「MONEY」だった。
お店を出たあと、悔しさで涙がいっぱいになった。
「お金」に「友情」を邪魔されてしまったことも、
人を簡単に信用しすぎたあたしの儚さも、何もかもが悲しかった。
結局、お店には戻らなかった。
戻ることもできたけど、戻りたいという気持ちがなくなっていた。
Money monster destroys “Friendship”
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そこで出会ったオウム。
彼はワックスコードと天然石を使ってジュエリーを作っていた。
「あたしもジュエリー作るんだよ」
と言うと、とっても嬉しそうに、
「じゃあ、お互いのスキル交換しない?」って話になり、
あまりにもいい話だったから、ちゃんと確認のため、
「これはお互いの技術交換だから、フリーだよね?」って言うと、
「もちろん!僕たちは友達だからね」とオウムは言った。
オウムもあたしも興奮状態だった。
次の日、約束の時間に行くと、
あたしを見てオウムも喜んでくれた。
先にあたしからのレッスンが始まった。
ワイヤーを使ったこともなければ、アクセサリー用のペンチやらのツールを使ったこともない。すべてをハンドメイドでしてきたオウムにとって、
あたしのレッスンは何もかもが初めてだった。

それでも、やっぱり普段からアクセサリーを作ってるだけあって、
オウムの覚えの速さと正確さには感心した。
初めての人とは思えないくらい、とてもきれいに仕上がったピアス。
全くテイストの違うあたしのジュエリーを喜んでくれた。

今後の練習のためにも余分に材料が欲しいと言われ、喜んであげた。
「じゃあ、次はあたしの番だね!先生よろしくね」
そう言うと、オウムの様子が少しおかしくなった。
「今さ、お客さんが来る時間帯だから、夕方また来てくれない?」
あたしはオウムとの約束を守るために、
友達との遺跡巡りも断って戻ってきたのに、
ちょっと勝手な発言にイラっとした。
「オウム、あたしこの約束のためにほかの友達との約束も断ったんだよ。
また夕方来てって言われても困るよ」
そう言うと、渋々OKした顔で
「じゃあ、君が作りたいもの選んでいいよ」
と、壁のジュエリーを指差した。
一番簡単そうなものを指差して、これがいいかなーって言うと、
棚からゴロゴロ大きな天然石を出してきた。
石を使わないといけないのは分かるけど、どれもこれも大きなものばかり。
絶対にこれは高いんだろうなって思うものばかりだったから、
念のため、
「これ、高いんじゃないの?」
って聞くと、オウムは黙り込んだ。
しばしの沈黙の後、
「君は友達だから安くするよ。350ルピーでどう?」
と言ってきた。
あたしは天然石を買う必要もないし、自分の好意で材料もあげたのに、
彼にそのことを言うと、
君の材料すべてでいくらする?僕のは本物の天然石でこんなに大きいんだよ。
何かがあたしの心の中で崩れ落ちた。
「オウム、あたし石は欲しくないよ。これは二人のスキル交換でしょ?
あたし、必要ないものは買いたくないよ。ただ、あなたのレッスンを受けたくてここにいるんだよ」
悲しげな顔で言うと、オウムは、
「お願いだから、また夕方戻ってきてくれない?
君に悪いことは絶対にないし、裏切ることもしないから。2時間半のレッスンをするからさ、お願いだよ」
崩れ落ちたあたしの何かは、きっと彼に対する「信用」だった。
あんなに興奮して、二人で喜んでいた前の日からの逆転サヨナラ裏切りホームラン。
「いい友達になれるね!」って、二人で話してたのに、
結局そこにあったのは「MONEY」だった。
お店を出たあと、悔しさで涙がいっぱいになった。
「お金」に「友情」を邪魔されてしまったことも、
人を簡単に信用しすぎたあたしの儚さも、何もかもが悲しかった。
結局、お店には戻らなかった。
戻ることもできたけど、戻りたいという気持ちがなくなっていた。
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