子どもたちが使う携帯電話のフィルタリングサービスに対し、「健全なサイトまで見られなくなる」という批判の声が出ている。利用の安全性確保が不可欠な一方で、必要な情報にアクセスできなくなる懸念もある。どんなサイトが遮断されるのか?

ソフトバンクモバイルの携帯電話で「ビール」というキーワードを使い、どんなサイトが遮断されるのか試してみた。
携帯各社とも「アルコール製品の情報」は遮断項目に指定している。ヤフーで検索すると、「ビールのおつまみレシピ」には接続できた。内容のほとんどは料理の作り方だ。一方、アルコール度数や、さまざまなビールの特徴を詳しく解説した「あなたの知らないビールの世界」は遮断された。「サッポロビール」の公式サイトはOKだ。

フィルタリングには、あらかじめ安全と確認されたサイトしか利用できない「ホワイトリスト方式」と、「わいせつ」「暴力」などの分類に引っかかるサイトに接続できなくする「ブラックリスト方式」の2種類がある。初期設定は、KDDI(au)とNTTドコモがホワイトリスト方式、ソフトバンクモバイルがブラックリスト方式だ。

 連日、ニュースが報じられている「イージス艦」や「ロス疑惑」はどうか。パソコン向けの「Yahoo!きっず」で試すと、「情報を見つけられませんでした」のメッセージが出る。ソフトバンクによると、携帯電話向け「Yahoo!きっず」もパソコン向けをアレンジしたもので、フィルタリングの方針は同じだという。各社にブラックリストのURLデータベースを提供しているネットスター社(東京都渋谷区)によると、ニュース記事や官公庁のサイトは原則、遮断される分野には登録されないが、報道であっても、残虐映像などが掲載されれば一時的に「グロテスク」の分野に登録することがあるという。

 遮断される分野はauとソフトバンクモバイルが大項目で10、NTTドコモとPHS大手ウィルコムが13。ドコモ、ウィルコムは「政治活動・政党」「宗教」「同性愛」項目を指定しているのが特徴で、政党などの携帯電話サイトに接続できないのに対し、au、ソフトバンクモバイルは接続できる。

 コンテンツ事業者から異論が相次いでいるのは、ブログやソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)、掲示板など、コミュニケーション機能があるサイトが含まれる分野を各社が一律に遮断することだ。出会い系サイトも、学校や学習塾の情報交換のためのサイトも、掲示板を使っていれば同じ分類になる。フィルタリングは携帯事業者側がかけており、対象サイトの追加や削除は可能だが、利用者側で管理できるようにするのは現時点では難しいらしい。

(by毎日)

 ◇各社の遮断項目は以下の通り。

<KDDI、ソフトバンクモバイル>

(1)不法 (違法と思われる行為、違法と思われる薬物、不適切な薬物利用)

(2)主張 (軍事・テロ・過激派、武器・兵器、誹謗・中傷、自殺・家出、主張一般)

(3)アダルト (性行為、ヌード画像、性風俗、アダルト検索・リンク集)

(4)セキュリティ (ハッキング、不正コード配布、公開プロキシ)

(5)出会い (出会い・異性紹介、結婚紹介など)

(6)ギャンブル (ギャンブル一般)

(7)コミュニケーション (チャット、掲示板、IT情報の掲示板)

(8)グロテスク (死体などの画像)

(9)成人嗜好 (娯楽誌、喫煙、飲酒、アルコール製品の情報、水着・下着・フェチ画像、文章による性的表現、コスプレ)

(10)オカルト (超常現象)

<NTTドコモ、ウィルコム>

 上記10項目に加え、

(11)ライフスタイル(同性愛)

(12)宗教一般(ウィルコムのみ、伝統的な宗教を含む)

(13)政治活動・政党