魔力を導くための道具「魔導具」によって、誰もが特殊な力を使える異世界を舞台にした冒険ファンタジー。
「誰もが」といったが、主人公のセロは例外で、優秀な魔導具職人を祖父に持ちながら、本人は一切、魔導具を使うことができない。それでも辺境の地で、見習い薬師として平穏な生活を送っていた彼だが、王立魔導騎士団の出現により、大きな闘争の渦に巻き込まれていく。
シリーズ開幕から読みどころは多いが、一番に挙げたいのが、キャラクターの魅力。特にセロの「最弱であるがゆえに最強」という設定が秀逸。また、セロの幼なじみで、貴族の養女フィノは、セロに対する異様なまでの執着を見せる。ヒロインらしからぬ”ゆがみっぷり”を発揮するのだ。実にユニークな性格である。
そして、彼らを助ける魔導師のアルカイン。本人の言によれば、呪いにより、二足歩行する猫に変えられた人間であるらしい。137ページにあるイラストを是非とも見てもらいたいが、このアルカインが、格好良い。