私には、大嫌いな言葉がある。
『前向きに生きよう』
なんじゃそれ!
こんな病気になって、どんどん動けなくなって、何が前向きなんだ? 病気になっても気のもちようだとかなんとか。生きている今を楽しめとかなんとか。
病気のおかげで気づけた事があるとかなんとか。
そんな事より、健常者であった方がいいに決まっているじゃないか。
病気も病状も人によって全く違う事をちゃんと理解できてるならいい。その上で一般論とか自分を鼓舞する為ならそれでもいい。
個人のブログなんだから、何書いてもいい。一般論でありがちなみみざわりのいい、誰でもいいがちな事を書くのもいい。
けど、そうは思ってない人もいる。
ALS の人に、どうなるか解らないのに
発症してから何十年も症状が固定している人もいるなんて言えるか?
どんな状況で固定してしまうのか解らないで?
全員すぐしぬわけじゃないとか?私には言えないし、言う資格もない。
要は、何も解らないなら、黙ってようって。(デリカシーをもとうよ)って事。
励まさないでも、寄り添う事は出来る。
今出来る範囲で、とかいう。 範囲が限定されちゃってるじゃん。
私は、淡々と生きる。淡々とじゃなくしんでしまうかも知れない。それも淡々と受け止めたい。選挙にも花見にもいく。旅行にもいきたいと思っている。
治療法が見つかる事を淡々と生きながら信じている。
それを前向きなんて絶対に言わせない。
只、淡々と淡々と。家族や周りの人を
悲しませないように。
表情や振る舞いが、淡々と見えるように。こっちの気持ちなんか推し測れないように。
なってしまったものは仕方ない。病気はまぎれもない事実だ。
受け入れてやっていくしかない。
でも、今の私ではまだ無理だ。
受け入れたフリが精一杯だ。
もとの身体に戻してくれって、人生をかえしてくれなんて言葉を飲み込んで。
只、淡々と淡々と。一喜一憂しない。
何があっても淡々と淡々と。胸はって、
凛として生きてたい。
定年したら、夫婦であれもしたい、どこそこへ行きたいと思っていた。定年を迎えられずに無職になった難病のオッサンの本音です。
それでもまだ、こんな病気でもまだ
オレの夢は、終わってなんかいない。
みんな、色んな思いを抱えて生きてるんだ。
前向きなんてくそくらえだ。