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前回からの続き。

 

『「不通」高校から「通信」へ』安原俊介著より、

 

ご両親が息子さんの高校の不登校について

振り返ってのメッセージを紹介します。

 

 

お父さんは、
仮に息子さんの異変に早期に気付いて対処したとしても、
息子さんの不登校は解決できなかったろう、と振り返っています。

その理由のひとつとして、義務教育ではない高校制度をあげています。

 

・高校間で自由に転校ができにくい(息子さんは私立の進学校です)
・校風が合わないと感じても、息子さんが求めていた高校生活に、一担任の先生が変えられるはずもない。

 

また息子さんに対しては、こう振り返っています。


・家族には不登校になっている思春期の心の中を、その当時は理解できていない
・仮に理解しようと努力しても、それは親の身勝手な理解にとどまる

男親らしく、社会の仕組みとしての教育のあり方にまで触れています。

また客観的に当時を分析しているなぁ~という印象です。



対してお母さんはこう綴っています。

・私にも息子の不登校を認めるための時間が必要だった
・不登校を肯定するために、自分自身が納得できる理由が必要だった


それまで何も問題がないと思っていただけに、
受け入れるのは相応の時間が必要だったのです。

一番ハードルが高いのは不登校を受け入れること。

ご両親とも、不登校の事実を受け入れたのは、

息子さんと時には大喧嘩したり、厳しい時間を経てのことです。

 

そのときは辛かったでしょうが、

そこで親子で逃げずに真剣に向き合い話しあってきたことで、

家族関係を見直すきっかけになったのだから、

それは家族にとって必要な時間だったのかも。

 

 

お父さんの言葉。


「不登校をする子どもが弱い子だなんてとんでもない」
「弱い子で将来が駄目になるかもしれないと心配するのは、親の勝手な解釈だろう」

 

子どもの人生は子どものもの。

当たり前だけれど見失いがち。


自分が信じてきたものを変えるというのは

相当なエネルギーが必要です。

 

特に男親は社会の第一線で働いていますから、

その信念は確固たるものがあったのかも。

 

でもこのご両親は、自分たちが変わる決心をしたのですね。

だからこそ、息子さんのありのままを受け入れることができた。

 

 

古い本ですが、大変興味深く読まさせて頂きました。