運動会直前の6月のある日のこと。

仕事中に
担任のA先生から電話がかかってきた。

嫌な予感がして電話に出ると

「運動会の放課後練習なのですが・・・。
○○さん、生徒手帳の連絡欄に
通院のため放課後練習休みます、と記入して
毎日練習をお休みしているのですが、
お母様ご存知でしたか?」

知らな~い。

いや、
毎日放課後練習があるのは知っていた。

でも去年と比べて
放課後練習がある割には
いやに帰りが早かったので

「放課後練習やってるの?」

と聞いたことがあった。

でもその時娘は

「やってるよ!」

と答えたので、
おかしいとは思いつつも
娘の言葉を信じることにした。

ところが案の定
サボっていたとは。


娘は元々マジメな子である。
(だからこそ拒食症になるのだろうが)

その娘が勝手に
私の名前を使って

しかも
いかにも中学生の字で←(笑)
嘘をついてサインまでして
練習をサボるとは。

電話を切ったあと
しばらく気が動転していた。

「なんで?どうして?」
「練習行ってる、って言ってたじゃん!」

娘の言葉を信じようとしていただけに
裏切られた思いと同時に
娘の行動が理解できなかった。


そんな重い気持ちを引きずったまま
帰宅してから娘に聞いてみた。

もちろん娘は
学校から私に電話があったことなど知らない。

「今日、A先生から電話があったんだけれど・・・」

娘の顔色がさっと変わった。
どうやら全てを察したようだった。

「ごめんなさい、ごめんなさい・・・。
もうしないから・・・。」

そう言って泣きじゃくった。

泣きたいのはこっちだよ・・・。

やるせない気持ちだけが残った。