最初に気づいたのは主人だった。
「あいつ、すごい痩せてないか?」

え?そう??
季節は冬。
制服も私服も長袖だったので、
そんなに気にしてなかった。

そもそもそんな改めて
娘の体を見ることなどなかったので、
「気にしすぎじゃない?」
と思っていた。

しかし
毎日顔を合わせている母親より
週末ぐらいしか顔を合わせない父親の方が
娘の状態を見抜いていたのだ。

        * * *

当時自分は
小学5年生だった息子のクラスで
学級長を引き受けていたことから、
次年度のクラス役員の選出という
頭の痛い問題を抱えていた。

そのため
娘の方になかなか
目を向けることができなかった。

娘はその間も
食事制限をやめることなく
運動も一心不乱に続けていた。

そして3月に入り
久しぶりに家族で温泉へ出かけたとき
私は娘の抱える問題に
真正面から
向き合わざるを得なくなったのだった。