その後、横の席は一瞬だけ空席となった。そして、また小説を開いた。
しかし、発車直後に50代後半と思しき男性が「横、すみません。」と
丁寧に断りを入れ座られた。
-----------------
良く馴染んだスーツに身を包み、片手にはビジネスバッグを持たれていた。
きっと、これから商談かなにかあるのか、或いは既に済んだ後なのか、
雰囲気から察するに、後者なのだろう。
きっと、帰路につくために乗車されたのだと感じた。
-----------------
ふと、気づいた。
この列車は、様々な人の想いを乗せ、それぞれの目的地に誘うのだと。
-----------------
いよいよ、小説どころではなくなってきた。
そして、改めて考える。
私は今回、なぜ東京に赴くのか?
思い立ったこの先に、どんな景色を想像しているのか?
----------------
新幹線の走行エリアは、いよいよ高崎へ。
頭の中には「コロナパニック」に陥っていた頃のことが浮かんでいた。
③へつづく