さて。今日も昨日の続きの出産話です。
読んでない人は前々日の記事から読んでいただけると
楽しんでいただけるかもしれません。
では、いよいよ最終話ですよー。
みなさん、分娩台にあがった気持ちで
(なんなら格好もそんな感じで)読んでくださいね。
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さて、出すものだしたし、(いや、赤子はまだ出してないが)
いよいよ出産だ!!
倍速で入れられている促進剤の効き目か、突然
2分間隔の陣痛がおしよせる!ううううう・・・・痛いよぅ。
それでも、2分は休憩が入るわけで、その間に状況を
わりと冷静に分析してみた。
知らない間に、分娩室がいっぱいになっているようで、
先生や助産婦さんたちがひっきりなしに、あちこちの
分娩台を行き来している。
左隣はどうやら、先ほどの腹のでかい外人さん、右側は
「もうやだ!死んじゃうー!!」と叫んでいるので、おそらく日本人だろう。
人のフリ見てわが身を直す、じゃないけど
「・・・・・・・大丈夫。死なない。」
と自分に言い聞かせてみる。
普通に陣痛が来て、自分の部屋か陣痛室で子宮口が全開になるまで
待っていれば、その間、付き添いのオカンか夫に腰をさすってもらったり
できるのだが、家族はまだ来ていないうえに、この病院は立会い出産の
場合は、立ち会う人も事前の説明会に出ないといけない。
夫はどんなにどんなに勧めても、がんとして立ち会うことを拒んだので
もちろん説明会にはでていないので、分娩室には入れないのだ。
血を見るのが大の苦手な夫は、どんなに
「ばっちり産むところ見るわけじゃないんだから大丈夫」って言っても
「絶対オレ倒れる。俺にもう一人看護婦が必要になる」と言い切った。
ヘタレだなあ。
だれも腰をさすってくれないので、仕方なく持参の
テニスボール
で、腰やらお尻をぐりぐりとマッサージしてみる。
こ・・・孤独だなあ・・・・。(TωT)
それに、昨日は助産師さんがずっと腰をさすってくれてたんだけど
今日は忙しいのか、ときどき様子を見に来るぐらいで、付き添って
くれる人がいない。
「だ・・・・だれかいないの?」と息も絶え絶えになっていると
めっちゃくちゃ若い白衣の天使が現われた!!
近くの看護学校の学生さんが、何人か実習で来ていたのだ。
学校の先生と二人で、苦しんでるかあちゃんに
「今日、実習で来ているんですが、お産にたち合せて頂いても
いいですか?」 と聞いてきた。
あーもーなんでもいいですよー。どうぞどうぞー。
それどころじゃないんでねーごめんなさいねー、あんまり相手
できないわよーたぶんー。
かあちゃんは、いよいよ出産!になったら助産師さんとは別に
その学生さんが横で見学するのだと思っていたんだけど、違った。
かあちゃんには、終始その学生さんしかつかなかったんだ。
この日は、朝分っている時点で8人の出産があるらしく、
先生や助産婦さんも大忙し。
分娩台でさえ空きを待っている人がそとにいるぐらいだったらしい。
でも、この若い学生さんは、献身的にかあちゃんに尽くしてくれて
陣痛の波がくれば腰をさすってくれ、汗がでていれば拭いてくれ、
喉が渇いたといえばお茶を飲ませてくれたのだ。
ありがとう!学生さん(名前忘れた) ←おいっ
そして、見回っている先生が
「足湯をするとリラックスできるのよ。やってみますか」
なんていうもんだから、少しでも楽になるなら、と
今まで寝ていた姿勢から座位に替えてもらい、足のところにお湯を
入れたバケツが用意された。
「アロマオイル入れますね。なんの香りがいいですか?」
う~ん。じゃあ、ジャスミン?(´∀`)
なんていってる場合じゃねー!
香りなんてかいでる余裕あるか!!
それでも、足をお湯にいれられて、気持ちよくなったような錯覚に
陥ったかあちゃんだけど、5分もしないうちに
全身汗だくになる。
陣痛中って、運動してるみたいに体が熱くて汗もだらだらかいて
しまうんだけど、さらに倍。
それでも「足湯が陣痛に効くのかも」とか無理に言い聞かせて
しばらく痛みと暑さに耐える。 (あほ)
しかしようやくお湯が少しぬるくなってきた頃、見回っていた先生が
「お湯、ぬるくなったらさし湯してね」
いいいいいいえ!!結構です!!
もうこれ以上は無理。
「すいません・・・・熱いです。やめていいですか・・・」
せっかくお湯を入れてもらったが、申し訳ない。
とくにリラックスされませんでした。
その後も学生さんは、私が「お尻押してーーー!!」と
叫ぶと、「ここですか?」と一生懸命押してくれた。
しかし、難点がひとつ。
実習で勉強に来ているために、隙を見ては
何かをノートに記入しに行くんだ。
間隔がまだ2分のときはいいんだけど、1分間隔になると
もう、お願いだから、ずぅーっと
肛門をぐいぐいっと押し続けてくれ!!
と言いたい。
人によってさまざまだけど、私は肛門を押さえてないと
なにかがでてきそうな痛み、だったので
陣痛がぐぐぐっとくると、下から負けない強さで押してもらわないと
お尻が破裂するような感じだった。
よく、出産は鼻からスイカって例えられるけど、
私にはその例えもよくわからない。(むしろそっちのが痛そう)
なので陣痛で苦しむ中、頭の中は「この痛みを人に伝えるのには
どういう表現がいちばん適切か」、についてでいっぱいだった。
(結構よゆーあるな、私)
そして、痛みに耐えつつたどり着いた答えは
10か月分の便秘が、やっと今まとめて出そうなのに
それを出すなといわれて耐えている感じ。
どうでしょうか。
なかなか的をえていると思いますが。
お腹も痛いけど、お尻付近も破裂しそう!!って。
男性にも少しは分っていただけるかと。(わかるかー!)
なんの話だっけ。
そうそう。学生さんがすぐに場を離れてメモしに行ってしまうってとこ。
陣痛の波がひくと「波がひきましたね」と言い残して、机まで
走っていってなにやらメモしている。
が。
書いてる最中にまたすぐ次の波がぁぁぁ!!
「早くお、お尻を押してー!! もっと強くぅ!!」
っていうか、いちいちメモしに行くなー!!
いきんでよし、の指令が下るまで、ずっとこの調子でした。
ある意味「死んじゃうー!」より恥ずかしい。
肛門が!とか言わなかっただけまだましか。
もう、かなりの陣痛の波が来て、腰(というかお尻?)が
破裂するぅ!!もう無理~って思っていたらやっと先生が
登場。子宮口を調べて
「よし。じゃあ出すか。」
よし。じゃあ出そう。
ぜひ出そう。
すぐに出そう。
おねがい。
いきませて!
10か月分の便秘をださせて!!
(まだ言うか)
午後2時、いきみ開始。
いきみすぎると、血管が切れると言われたけど
GOサインがでたのにいきまずにいられるだろうか。
それでも、呼吸もおちついてできたし、目をつぶるなと
いうのも守ったし、自分では初産ながら結構うまく
いきめたのでは、と思う。
先生がずっと傍らでみてはいたけど、出産もずっと
学生さんがアシストしていた。
20分ぐらいいきんだときに
「あ!!頭がこれぐらい見えましたよ!!」
え?どれぐらい?と思ってみると彼女が指で作った
わっかは直径2センチぐらい。
ぐわぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・。脱力。
きっと、励まそうと思って言ってくれたんだろうけど
えーーーーーー、まだそれぐらい・・・?
胎児の頭ってどれぐらい大きいんだっけ・・・。
その後、2回ぐらいいきんだときには
「あ!!もうこれぐらい見えてますよ!!」と手で作った
わっかは、直径5センチぐらい。
うぅぅううっぅ・・・・・まだまだじゃないか・・・・もうだめ・・・
限界・・・・(x_x;)
しかしその先は意外と早くて、
まあ、経産婦は分ると思うけど入り口のところを
チョッキン!て切ったみたいで
(今男性読者の悲鳴が聞こえました)
ちくっとした痛みを感じた程度。
その後、もういきむな、という命令とともに
ずるっとなにかがでたような気がした・・・と思ったとたんに
「ふぎゃーーーーーふぎゃーーーーー!」
という産声が聞こえた。
「おめでとうございます!!」という学生さんの声。
「これは元気な男の子だなあ。おめでとう」という先生の声。
以上。
昨日聞いた隣の人の出産時は4,5人の祝福の声と拍手があったけど
今日は忙しいんだもんね。しょうがないよね。ふんだ。
昨日他人の出産の声だけで感動して泣いてしまったので、自分のときは
さぞかし号泣するだろうと思ってたんだけど、もう
放心状態 ね。
泣くだけの体力もない。
「ああ・・・・・出たのか・・・・」 みたいな。
ここの病院では、へその緒がついたまままず抱っこさせてくれた。
しっとりと(いやべったりだったかな)全身濡れた小さな生き物が
必死に泣いていた。
これがお腹に入っていたのか・・・・・・・・。
その後、へその緒も切ってさっと体を拭いてもらってから
再び抱っこ。(カンガルーケアといいます)
初乳を飲ませてみたら、なにも見えないくせに一生懸命乳をさがして
吸い付いてくれたのをみたら、やっと感動して涙がでてきた。
「こんにちは。あなたがお腹に入ってたのね・・・。よくがんばったね。
私がおかあさんだよ。これからよろしくね。」
夫の顔にそっくりで、うれしくてまた涙がでた。
気になる体重は・・・
3435g
4000gないじゃん!!うそつき!!
赤ちゃんの推定体重って、頭の大きさと胴回りと足の長さで計るんだよね。
きっと、お父さんに似て
頭がでかいんだな。
幼稚園の入園のときにもらう園の帽子が入らなくて、先生が
「あらあら。入らないわ。困ったわね」とかいって、大きめの帽子を
探しにいったりするんだ。きっと。(実話)
産後2時間は起きちゃいけないので、しばらく息子と二人で
分娩台で寝ていた。
隣ではまだ外人のねーちゃんが出産中のようだ。
旦那さん立合いだけど、やっぱり「まだいきまないで!!」という
専門用語(?)がわからないのか彼女に伝わらないらしく、
隣は戦場のようにどたばたしていた。
そのうち、看護婦さんかだれかが「クリスを呼んできて!!!」と
叫んだ。
一人だけ外人さんの事務員の人がいたなー・・・
その人だろうな・・・通訳かな。
その後、「小児科の先生を呼んできて!!」となって、なにやら
ただならぬ様子。
大丈夫だろうか・・・。
かあちゃんのほうは、というと
先生の話では、羊水がやっぱり少なくなっていたらしい。
ほんとに・・・あんたはぜんぜん出てこようとしないから!!
腕の中でふがふが言ってる息子がいとおしい。
分娩室、空き待ちなんだよなー。寝てていいのかなあー。とか
いろいろ考えててふと。
あれ?家族は?
と気づいた。
もう産後もう1時間以上たってるけど。
かあちゃん 「ねえ、家族に連絡っていったのかな。生まれたって」
学生さん 「え?いらしてるんですか?外ですか?」
かあちゃん 「うん・・・・たぶん・・・私の部屋にいると思うんだけど・・・」
学生さん 「じゃあ、電話してみますね」
ますます、理想とかけ離れていったのだった。
しばらくしてから家族が分娩室の前にきて、中には入れないけど
ドアをあけて顔をみて話ができた。
息子も、学生さんが連れて行ってくれたみたいで
おかんや夫がわいわい騒いでるのが聞こえる。
夫の第一声は
「おい。天パだぞ」
理想と現実なんてこんなもんだ。
(かあちゃんの出産理想イメージはこちら )
15時ちょうどに息子を出産し、分娩室で2時間以上
休憩したあと、自力で自室にもどった。
からだのあちこちが痛い。とくに座るとき、さきほど
ありえないぐらい開いていた部分が痛い。
中もちょっと裂けたらしくて、あちこち縫われたのだ。
痔の人の気持ちがちょっとわかる。
部屋についたのは6時をすぎていて、夕飯の時間が
終わってしまっていた。
さすがにお昼ごはんは食べられなかったので、
闘い終えたかあちゃんはお腹がすいてしょうがない。
家族がみんな部屋に来て、ジュースやデザート類などを
差し入れで持ってきてくれてたけど
「ごはんが食べたい」
オカン「今、もう一回出してもらえないか頼んでくるから。
それか、パンは買ってあるけど」
かあちゃん 「ごはんが食べたい」
そのあとすぐにかあちゃんの様子を見に来た看護婦さんに
看護婦さん「気分悪かったりしないですか?どうですか?」
かあちゃん「大丈夫です。ごはんください」
きっぱりと言い放った。
だってお腹すいたんだもーん。
その後家族が見守る中、夕飯にがっついたのは言うまでもない。
息子は今日は新生児室で預かってくれるので、今夜はぐっすりと
眠れそうだ。
それにしても、全員が息子を見た感想が
「髪がボーボー」
夫が天パだといったのは、まだ沐浴してないから頭がべたべた
してて、くるくるしてただけなんだけど、洗ってもらって
新生児室で寝ている息子は
際立って髪の毛の多いあかんぼだった。
この髪の毛のおかげで
年相応に見られない息子。(ちっさいおっさん説あり)
産毛は抜けても髪の毛はやっぱり抜けなかった。
(後頭部もはげなかった)
これが散髪の戦いの 大元になるのだ・・・。
(今まで何回髪切ったか!)
そしてかあちゃんは出産の翌日から、
全身を襲うありえないぐらいの筋肉痛と
下関係の諸不具合と
なかなか寝ない新生児に悩まされる事になる。
(新生児ってすぐ寝るんじゃないの?!)
P.S. 外人ねーちゃんが気になる方
良くわからないけど、翌日新生児室で見たら
保育器に入ってました。
でも、かなりでかい!!保育器いっぱいいっぱいでした。
語学力がないのでどうしたのか分らなかったけど
2日後には普通にお母さんと同室になって、退院も
同じ日でした。
まあ、とりあえず無事だったようです。よかったね。
長い長い出産話にお付き合いいただきまして
ありがとうございました!!
いや~、出産て本当にいいものですね。
みんなの出産話も読みたいです!
既に過去記事アップしてる人~。
探して読みに行きますよ!!
なかなか寝ない1歳児と筋肉痛には未だに悩まされる
かあちゃんに、ごくろうさまポチを~!!
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