ある日突然、自由に本が読めなくなったら?

読もうとした本を、取り上げられてしまったら?

でも、そこへ助けてくれる王子様みたいな人が現れたらーー


日本でそんな自由を奪われてしまうような法案が可決されてしまった世界線のお話が、図書館戦争です。

2013年に実写映画化、2015年にはテレビドラマ、そして2015年には実写映画の続編が公開され、元V6の岡田准一さんが鬼教官こと堂上篤役で出演しています。




・あらすじ

 高校3年生の時、自分が大好きな本を守ってくれた図書隊員に憧れ、自身も図書隊員になることを決めた郁。あの時の図書隊員は郁にとっての王子様。そんな王子様にいつか会えることを願いつつ、念願の図書隊に入隊を果たした郁は、過酷な訓練をこなしていく。だが、郁を待っていたのは、あの時の王子様とは程遠い鬼教官・堂上篤だった。。。


・感想というかなんというか

 主人公である郁が、高校時代に自分を助けてくれた『王子様』に憧れて図書隊に入隊するという恋愛漫画チックな要素と、本を守るために戦う戦闘要素が合わさった面白い構成の物語でした。


 メディア良化法が実際の世界でできてしまったら、きっとたくさんの本が規制されてしまうと思うと恐ろしくなりました。

 例えば横溝正史の小説。今で言う差別用語がたくさん出てきます。当時は普通に使われてた言葉ですが、角川文庫では、このことについて注意書きが載っているほどです。

 メディア良化法があったら間違いなく規制対象だと思います。絶版もしくは該当箇所を省略または言い換えるか。でもそれじゃあダメだと思ってます。

 横溝正史がその表現を用いてるからこそ伝わるニュアンスとか、当時の時代背景とかがあるから。

 確かにひどい言葉ではあるんだけど、そういった言葉が普通に使われていたような時代があったこと、そして今はそれがタブーになっていったということを残していくのも必要ではないかなと、この物語を通じて思いました。


 恋愛パートに関しては、身体能力が高くて厳しいトレーニングでも頑張ってる郁がとても乙女で、同性からしてもそのギャップにやられます。本を守ってくれた人を王子様と表現するだけあるなぁと。

 そして堂上さんよ、、、!!鬼教官がたまにみせるデレ的な部分もまた郁と同じくギャップがあって良い。郁と堂上だと郁のほうが背が高いのですが、パッとラブ☆コンのリサと大谷を思い出してしまいました(世代がバレる)。


 戦闘パートは、本当に本を巡っての争いなのかと思うほど過激です。武器持ち出してますからね。でもそれくらい、メディア良化法の規制はきつく、かつ理不尽なものも多いです。武力行使も辞さない団体なので図書退院も強くなければならず、それが最初の訓練パートにつながっています。


 図書館なのに戦争?どういうこっちゃ?と、タイトルだけ見ると不思議に思いますが、読んだ後は確かにメディア良化法なんてものが生まれてしまったら、戦争とまではいかなくても、戦いは生まれるかもしれないと思わされる作品でした。


図書館戦争シリーズは全4巻+スピンオフ2巻があります。








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