太宰治といえばこちら!とも言える代表作。
太宰治もまた衝撃的な最期を遂げた作家の一人。
しかし作家はなぜ自死が多いのか。。。
小説に出てくる主人公の設定や行動が、太宰治自身被るため、自伝的小説あるいは遺書でもあったのではと言われているのがこの人間失格です。(書き上げた1ヶ月後に玉川にて入水自殺してしまっています)
2010年にこちらを翻案とした映画が公開されており、主人公・大庭葉蔵役を生田斗真さんが演じています。
・あらすじ
東北のお金持ちの家に生まれた葉蔵は、進学を機に友人の影響で酒・煙草・女そして左翼思想に染まっていく。カフェーに入り浸ったり、左翼の運動に参加したりして過ごしていく中で、一人の人妻と心中事件を起こす。結果、自身は生き残り、人妻だけが死んでしまう。
この事件が原因で学校退学となり、葉蔵はますます精神の闇に潜っていくのだが。。。
・感想
読んだ時期がちょうど以前の恋人と別れる別れないで悩んでいた時期だったからか、「葉蔵しっかりしろ!」という気持ちが強かったです。今はそこまで突き放した感情はないのですが。。。
葉蔵はかっこいいんだという表現があちこちにちらばっているところからかなりのナルシストな印象も受けますが、同時に自分の心の弱さもちゃんとわかっているところをみると、100%ナルシストともいえない気がします。どちらかというと自分を俯瞰的に見ているのではないでしょうか。
そして心中に巻き込まれる人妻が気の毒なのはもちろん、他の女性もなかなか気の毒というか、なんだか葉蔵のこと、放っておけないんだろうなという感じです。実際の世界で葉蔵と付き合ったら絶対大変なのもわかります笑。
また、物語では何度もカフェーが出てきますが、現代のコーヒーを読んだりするカフェとはまた別の存在で、カフェーは女給さんがいてそこでお酒や料理をいただくお店です。そしてこの女給さんとも葉蔵は関係を持つのです。本当に終始女癖悪いぞ!って当時のわたしはむかつきながら読んでました。モテるんだから仕方ないでしょ、向こうからやってくるしと言われたら言い返しようがないですが、とにかく自分の美貌をフル活用な葉蔵です。
そして恥の多い生涯をーという文章どおり、本当に葉蔵の思考行動が剥き出しで描かれています。
ここまでタイトルとマッチする小説はなかなかいよねぇとも思わされました。
人間失格は青空文庫でも読めます!
坊っちゃん同様、いろんな出版社から出ています。
集英社文庫だと表紙が「ヒカルの碁」や「DEATH NOTE」の小畑健先生の絵になっていたり、
角川文庫だと可愛らしい人気漫画・文豪ストレイドッグスの太宰治が表紙だったりもします。
生田斗真さん出演の映画