2018年度本屋大賞受賞作で、来月にはアニメ映画が公開されるこちらの作品は鏡の向こうにあるお城の中で過ごすファンタジーパターンと、日常生活パターンを行ったり来たりしながら進んでいくストーリーです。
文庫本の上下巻を合わせると鏡がつながります。
https://movies.shochiku.co.jp/kagaminokojo/
・あらすじ
学校での居場所をなくし、家の中にこもって過ごしていた中学生・こころ。
ある日、突然鏡が光りだします。吸い込まれるように鏡の中へ入り込むと、そこはお城でした。
お城にはこころの他に、見ず知らずの中学生6人がいました。みんな、学校に行けなくなった子供たちばかり。戸惑う子どもたちの前に、オオカミのお面をつけた少女・オオカミ様が現れてこう言います。
「このお城のどこかにある鍵を探せば、何でも願いを一つ叶えてやろう」
期間は1年。お城でのルールを守りつつ、鍵を探しながらも好きに過ごす子どもたちの間に芽生える友情。やがて7人は全員のとある共通点や、それぞれが抱える問題を知っていき。。。
オオカミ様の目的は?みんなの共通点って?
鍵はどこにあるの?みんなの願いは?
・感想
見ず知らずの子供たちがお城という非現実的な場所に集まる、という設定がとても面白いです。
かがみの孤城なので圧倒的に城の中というファンタジーパターンのシーンが多いのですが、城の中にいても子供たちの会話は現実にもありそうなやりとりなのがまた不思議な感じがします。
最初はどことなくぎこちなく関わっていく子供たちが、時にはぶつかりながらも徐々に友情を深めていく様子は、大人からすると微笑ましく感じます。 こころたちはみんな学校にいけなくなっていますが、それは決して逃げではないんだと教えてくれます。それぞれの子たちが色んな形で抱える悩みと向き合い、戦っています。
そんな子どもたちを見守る?監視している?オオカミ様は、オオカミのお面を被ってはいるものの、決して怖い存在ではありません。ミステリアスな存在ではありますが、正体を知った時、オオカミ様に抱くイメージはガラッと変わるかと思います。
ポプラ社の公式ページでは「子どもとかつて子どもだったすべての人へ」という文言がありますが、まさに老若男女誰が読んでも感動する作品だと思います。
すでに読んでいるので結末はわかっているのですが、映画が公開されたら絶対見にいきたい作品です。


