一昨日の投稿で紹介した「上流階級 富久丸百貨店外商部」がモーレツお仕事小説としたら、こちらはワークライフバランスや労働環境について考えさせられるお仕事小説。現在文庫は2巻まで出てます。
少し前に吉高由里子さん主演でドラマ化もされていましたね。ジャニーズからはKAT-TUNの中丸雄一さんが出ていました。中丸君は吉高さんの彼氏役で、ワークライフバランスを大事にしているという役所でした。
主人公の東山結衣は毎日定時で退社し、行きつけの中華料理屋でビールを飲むのが日課です。
現実でも定時で帰る社員に不満を持つ人、いますよね。労働時間の長さ=仕事に熱心だと高評価になる傾向、いまだにあると思います。
私が昔働いていた会社も残業=美徳だと考えていました。私は昔から基本定時上がりしていたのですが、ある日呼び出しされて「なぜ残業しないの?ちゃんと働いていないのではないか」と言われたこともあります。 結衣の会社も同じで、やはり定時上がりする結衣に不満を持つ人もいます。
でも、結衣は決して仕事をサボっているだとか、手を抜いているわけではありません。むしろ定時で仕事を終えられるように就業時間内にやることはきっちりやっているのです。わざとダラダラ仕事をして残業に持ち込んで残業代を稼ぐ、いわゆる生活残業をするような人たちよりよっぽど生産性も高く、能力もあると思います。時間管理がきっちりできているってことですからね。
そんな結衣の上司なんですが、実は結衣の元婚約者で、結衣とは正反対のワーカーホリックという。でもだからといって結衣に残業を強要などはしません。
しかし、新しくきたマネージャーの存在のせいで定時退社が難しくなりそうな危機に直面してしまいます。
結衣は定時帰りを守れるのか、そして元婚約者との復縁はあるのか?マネージャーとの戦いはどうなるのか?
ちなみに2巻はタイトル通りパワハラに焦点が当てられている内容です。これがまたひどいのなんの。しかも現実にありえないと言い切れないと内容という。もう相手方にむかつきまくりなんですが、めげずに立ち向かう結衣がこれまた頼もしく、かっこいいんです。
働き方に関しては『上流階級 富久丸百貨店外商部』の静緒とは違う道を行く結衣。それでも二人とも仕事に対して真摯に向き合っているところは同じ。二人の働き方を比べ読みするのも面白いかもしれません。
そして二人のいいところを吸収して自分の働き方に活かせたらと素敵だなと思います。