誰もが知っている怪談話を、民俗学として授業で取り上げて分析していくという新しい(?)ミステリーホラー小説といえば『准教授・高槻彰良の推察』。

Hey!Say!JUMPの伊野尾慧さん、そしてKing & Princeの神宮寺勇太さんによりドラマ化もされています。


例えばトイレの花子さんや紫鏡など昔からある定番の学校の怪談。それがどのように誕生したのか、どうやって広まっていったのかなどを民俗学という学問として取り上げていくスタイルは、今までになかったと思います。


主人公である大学生の深町尚哉は、子どもの頃に体験したある不思議な出来事をきっかけに、人の嘘が歪んで聞こえるとようになってしまいます。そのせいで他人と距離を置いて過ごしてきたのですが、進学した大学の授業で准教授・高槻彰良と出会い、その特異体質を活かして彼のもとでアルバイトを始めることになります。


バイトの内容は、高槻の元に寄せられる怪異の調査や検証のお手伝い。今まで厄介でしかなかった特異体質が、高槻の手伝いにとても重宝するのです。嘘を見抜けるって、最初見た時はすごいじゃん!絶対に詐欺にあわないしいいんじゃないの?と思ったのですが、そんな単純なものじゃないんですよね。

人間って誰しも嘘をつく生き物で、それは悪い嘘だけでなく良い嘘、他人に気を使うから使う嘘もあります。だけど、尚哉は嘘の内容が良い悪い関係なしにどれもひどく歪んで聞こえてしまいます。大学をはじめ人が大勢集まる場所に行けばそれだけ嘘の数も増え、、、っと、尚哉がいかに大変な目にあっているのかよくわかりました。歪んだ声というのは言ってしまえば不快な音で、尚哉は日々不快な音をたくさん聞きながら生活していることになります。想像するだけで苦しくなってきそうですね。


でも、そんな尚哉がなぜ高槻先生と一緒に行動するのか?答えは簡単。高槻先生は嘘をつかない正直な人間だからです。だから、高槻先生からは歪んだ声が聞こえることはないんですね。

でもそんな高槻先生にも秘密はあります。嘘をつくのと秘密があるのは微妙に違うものですから。

その秘密は読んでからのお楽しみ。


古典的なホラーの話、学校の怪談の話、その他にもUMAなどありとあらゆる怪異が出てくるので、ホラー好きにはたまりません。高槻先生が怪異については優しくわかりやすく教えてくれますよ!(そして高槻先生、外見もカッコ良いんですからね!)

もちろん、ドラマも必見です。

(若干原作と違う部分もありますが面白いです☺️)