ドラマ「愛の、がっこう。」


次回9月18日の放送が

いよいよ最終回となりました。


私は

ラウールさんがドラマ初出演で

脚本と演出はあの「昼顔」チームと聞き、


面白そう♪と思い

気軽に見始めましたが


回を重ねるごとに

いろいろ色々あまりにも良すぎて


Netflixで何度も見て

感想を書き残したくなり今日で7回目。



好きなシーンは数えきれないですが


やはり屋上シーンは

ものすごく拘って作られているのがわかるので

大好きで何度も見てしまいます。


天使天使天使



第1話の初めての屋上シーン。


念書を書き終え

愛実とカヲルがふと向かい合った時


初対面の際に

愛実がおでこに絆創膏を貼っていたことを

カヲルは覚えており


その傷が

良くなっていることに気づいて


「傷治ったんだな。先生も命がけだな」


と労いの言葉をかけ

愛実のおでこにキスをしようとします。


ホストという職業柄

目の前の女性を良く観察するだろうし


話のネタになりそうなことは

何でも拾うクセがあるのだろうけれど


それだけではない感性というか


仕事で作った傷だと直感的に理解して

この人もたいへんなんだろうな…と想像する


つまり

相手の立場に立って考えることができる

優しさや繊細さを


カヲルは持ち合わせているのだな…

と思いました。


そして「命がけだな」という表現。


何故ならカヲル自身も

傷を負いながら命がけで生きてきたから。


今もホストに毎日命がけだから。


だから無意識に愛実の傷に共感して

出てきた言葉なのかもしれない。


「書けるまでそばにいますから」


と、一生懸命に励ましながら

字の書き方を教えようとする愛実に


自分と同じ周波数を感じて

無意識に愛おしさを感じたのかもしれない。


一方の愛実も


生徒から嫌われ

そんな学校は居心地も悪く

教師として崖っぷちだと思っていて


ある意味「必死に」生きている。


だから

「命がけだな」と芯をつかれて戸惑う。


お互い無自覚ではあるものの


愛美の心と カヲルの心が

初めて触れ合った

とても美しい瞬間だと思いました。


おでこにキスされて驚いた愛実に

突き飛ばされた時の


カヲルの一瞬の表情は

まるで

捨てられた子犬のような目をしていて


彼が生きてきた中で

抱かざるを得なかった


拒絶されることへの恐怖や

絶望感と悲しみを物語る瞬間でした。


これらのほんの短いやり取りの中に


ふたりの心の動きが

とても丁寧に描かれていて


初回から心を掴まれてしまった名シーンでした。




他にも

カヲルの背景を知る上で

役に立った描写がありました。


8話で

つばさをナイフで切り付けようとした

明菜社長が警察に逮捕された後


カヲルは


「俺たちが追い詰めたってことですかね」


と松浦社長に問います。


「怖いですね」とは言わない。


頭からワインを浴びせたり

自分をバカ呼ばわりした客なのに


彼女を責めたりせず

あくまでも寄り添う姿勢なのです。


やはりカヲルは

相手のことを先に考えるのですよね。


自分がたくさん傷ついているから

傷ついた人の心もわかってしまう。


カヲルの優しさは


母親にお金を渡してしまうところや

義弟をとても大事に思っているところ

にも表現されています。


一緒に暮らしたこともない義理の弟でも

カヲル自身は父親不在で育ってきたことから


父親が違うということには

あまり違和感がないのかもしれませんし、


数少ない家族という存在を

大事にしたい気持ちもあるでしょう。


「お兄ちゃん」と呼んで甘えてくる

小さな弟を

大切に思う優しさもあるでしょう。


でもやっぱり

目の前の人の傷ついた心の中を

無意識に感じてしまうから


無下にできない

つい優しくしてしまう


そんなカヲルの

人としてのあり方が見えてくるようでした。


一方で

字が読めない、書けない

そのことを相談する人もいなかった人生。


そんな鷹森くんが

この社会を生きていくことは

想像を絶する厳しさだったと思う。


それでも

他人の苦しみを理解する優しい心を持つ人。


カヲルこそ

慈愛で生きる人なのかもしれません。





好きだから一緒にいたい。


これはふたりの

とても自然で正直な思いで


人にどう思われるか、そればかり

気にして生きてきた愛実が


やっと自分の心に素直になれたことは

ひとりの女性の成長として

たいへん喜ばしいことだし、


カヲルも

ライバルだったつばさを呼び出して

プライドを捨てて相談したりしながら


どうしたら愛実と一緒にいられるか

真剣に悩んで行動し始めます。


しかし第10話で


ふたりの元にやってきた

愛実の父が

威圧的な態度でカヲルに投げた言葉は


今度はカヲルの劣等感に

火をつけてしまったようで


カヲルは

怒りの感情を露わにしていました。


怒りは

ネガティブなものと捉えられがちですが


悲しみや絶望などのうつ的な状態よりは

エネルギーが強く


ついまわりに当たったり

何か別のことで

発散させようとしがちですが


何故怒りを感じるのかを

冷静に自己分析できれば


必ず次の前向きな行動へ繋がる

私はそう思っています。


ただ、

ホストを辞めるカヲル

先生を辞める愛実


ふたりとも精神的に

不安定になる可能性は高い。


経済を支える仕事があるときは

人は不安が薄くなるため


それが自分の器とイコールだと

勘違いするものです。


自分には結局ホストしかできない

ダメな人間なんだと

カヲルは思うことになるかもしれないな…。


コンフォートゾーンを広げるのは

少しずつなんですよね…。



愛実と大雅


お互いを思いすぎて

自分の気持ちに嘘をつくことだけは

しないで欲しいな…。


最終話で

どのようなラストを迎えるのか


とても楽しみです。


まんまるスフィアピンク薔薇でした。

See you目