やっと還って来れたよ
今から逢いに行くよ
ごめんね
随分 遅くなっちゃった
この世界へ来るまでに
言葉も忘れちゃったけど
あなたの思い出だけは
ちゃんと憶えてるから
こんな小さな身体で
あなたのもとまで 翔べるだろうか
こんなあかるい夜に
僕の光は 見えるだろうか
一月もせず 消えるこの灯(ひ)を
どうかどうか 届けたいの
夏が訪れるたびに
あなたと約束をした
河原も今は
なくなっちゃった
あれほど見た星も
もう 数えるほどしかなくて
あなたの思い出さえ
失くしそうで怖いよ
こんな小さな声に
あなたは応えてくれるだろうか
こんなあかるい光に
僕の目は 耐えられるだろうか
一日も早く 微かなこの灯(ひ)を
どうかどうか 届けたいの
「この光は 呼んでるんだよ。
『僕を見つけて。』って。」
そう言って 笑うあなたに
もう一度 逢いたくて
こんな霞んだ視界で
あなたの姿は 解るだろうか
こんな弱った力で
僕はあなたに─…
こんな小さな身体で
あなたのもとまで 翔べるだろうか
こんなあかるい夜に
僕の光は 見えるだろうか
最初で最期の 消えそうな灯(ひ)を
どうかどうか
『僕を 見つけて。』
20100912
こんな小さな身体で
あなたのもとまで 翔べるだろうか
こんなあかるい夜に
僕の光は 見えるだろうか
などなど、フレーズの綺麗さを心がけて書いた詩。
ホタルの光は求愛行動らしいですが、要するに「僕を見つけて」ってことなんですよね。
短命なホタルが見つけて欲しくて精一杯光る、なんだか切ないなと思ったことから色々膨らんでいった感じです。