彩度低く | 半脊椎-Spineless fish Side-

彩度低く

僕は爛熟した、腐りかけの指跡だらけの苺を頬張り


沈み込んだ底が泥濘ぬかり盛り上がった土の上に立ち尽くし


冬の間に赤錆の浮いた自転車のタイヤの横を無言で蹴る


タイヤはカラカラとカラカラと音を立てながら回転し、やがて止まった