ある休日に-3.特別な夜- | 半脊椎-Spineless fish Side-

ある休日に-3.特別な夜-

新品のシャンプーボトルを押す
ビニール包装を乱雑に破き
浴槽に湯を張りシャボン液を混ぜた


猫の匂いが染みついた毛布を被る
ソファーに足を投げ出しながら
セピアのサイレントムービーを鑑賞した


スモークチーズの塊を指で崩す
皿の上にはレタスではなくキャベツが
いだ風を地震が小さくノックした


最後は老朽化したベランダにもたれながら
浮いた錆びを飲み込む苔の絨毯に拍手を
夜目が利かない梟の嗄れ声に含み笑いを





――誰とも語り合わない、完結した夜