新聞紙に包まり、蛾を蝶と数える夜
独り、消えた夜を探した日。缶のプルトップは硬かった。
さようならと手を振り見上げた古木。月下に横たわる。
影が、そう、影が見えない。その昏さに只、感謝した。
見上げてみろ蝶がまた一片 。街灯に輝く鱗粉が一撮 み。
悲哀は何処だ。愛惜は携 えているのか。
犬の遠吠えを聞いていた。赤子の夜泣きに耳を塞いだ。
誰かに逢いに行きたいのだ。誰かに訪ねて来て欲しいのだ。
しかし未だ独り、活字に眠る夜。晒 し葱を啄 み安堵する日々。
さようならと手を振り見上げた古木。月下に横たわる。
影が、そう、影が見えない。その昏さに只、感謝した。
見上げてみろ蝶がまた
悲哀は何処だ。愛惜は
犬の遠吠えを聞いていた。赤子の夜泣きに耳を塞いだ。
誰かに逢いに行きたいのだ。誰かに訪ねて来て欲しいのだ。
しかし未だ独り、活字に眠る夜。
――彼方よ、知っていたか? 向こうの横町で、火事があったということを。