家庭でできる発達支援

ADHDとASD
両方の特性がある子への支援
家庭でできる小さな工夫から始める

見通し・切り替え・感覚・行動の整え方を、具体的に考えます。

ADHDとASDの両方の特性があるお子さんは、日によって姿が大きく変わることがあります。

動きたい。
でも予定変更は苦手。
興味は移りやすい。
でも自分のやり方にはこだわる。

大切なのは、子どもを変えようとすることより、
子どもが動きやすい環境を整えることです。

支援 1 予定を「見える形」にする

ADHDの特性があると、今やっていることから気がそれやすくなります。

ASDの特性があると、見通しがないことに不安を感じやすくなります。

だからこそ、予定を見える形にしておくことは、とても大切です。

朝の流れを紙に書く
写真カードを並べる
終わったらチェックをつける
外出前に「今日の予定」を確認する
変更がある時は早めに知らせる

見えると安心する
安心すると戻りやすくなる

***

支援 2 切り替えには予告を入れる

楽しいことを急に終わらせると、癇癪につながることがあります。

「もう終わり!」ではなく、終わる前から準備できるようにします。

あと5分で終わり
あと1回で終わり
この動画が終わったらおしまい
タイマーが鳴ったら片付け
終わったらお茶を飲む

ポイントは、「終わった後に何をするか」まで伝えることです。

終わりだけでなく
次の行動まで見せる

***

支援 3 動ける時間を先に入れる

じっとすることを頑張らせる前に、体を動かす時間を入れると落ち着きやすい子がいます。

登校前に少し歩く
家の中で荷物を運ぶ
洗濯物を一緒にたたむ
布団を押す、運ぶ
短い体操をする

「落ち着きなさい」と言うより、落ち着きやすい体の状態を作るイメージです。

***

支援 4 刺激を減らせる場所を作る

刺激を求める一方で、刺激が多すぎると疲れてしまう子もいます。

家庭の中に、少し落ち着ける場所があると安心しやすくなります。

部屋のすみを落ち着く場所にする
お気に入りのクッションを置く
音がつらい時はイヤーマフを使う
明るさを少し落とす
一人になれる時間を作る

逃げられる場所は
甘えではなく安心の土台

***

支援 5 指示は短く、一つずつ

一度にたくさん言われると、何からすればいいかわからなくなることがあります。

「着替えて、歯みがきして、かばん持って」
ではなく、

「着替えよう」
終わったら
「歯みがきしよう」
その次に
「かばん持とう」

短く、具体的に、一つずつ。
これだけで動きやすくなる子もいます。

支援 6 できたことをすぐ言葉にする

ADHDとASDの特性がある子は、注意される経験が多くなりがちです。

だからこそ、小さな「できた」を言葉にして伝えることが大切です。

戻ってこられたね
待てたね
教えてくれたね
最後まで聞けたね
自分で選べたね

大きく褒めなくても大丈夫です。
事実を短く伝えるだけでも、子どもの安心につながります。

保護者の方へ

ADHDとASDの両方の特性があると、毎日の関わりに迷うことが多いと思います。

でも、全部を一度に変えなくて大丈夫です。

予定を見えるようにする。
切り替えの前に予告する。
落ち着ける場所を作る。
できたことを一つ言葉にする。

小さな工夫の積み重ねが、子どもの安心につながっていきます。

まとめ

予定は見える形にすると安心しやすい
切り替えには予告と次の行動をセットで伝える
体を動かす時間を先に入れると落ち着きやすいことがある
刺激を減らせる場所を作る
短い指示と小さな成功の言葉がけを大切にする

支援は、子どもを大人のペースに合わせるためではなく、
その子が安心して力を出せる形に整えることです。