同じ頃馬込の洋館建ての素敵な家に引越しをした

岩田さんのお嬢さんが、絵本をもって、自転車

で遊びに来た。




黒い制服に赤い線の入ったセーラー服が子供心

に品の良いお姉さまと言う印象は、この年になって

もくっきり残っている。



その絵本はシゲコちゃんが幼いころから、毎月

送られて来る薄い絵本を紐で綴じた、10センチ

位の分厚いものだった。



アリや、コオロギやネズミやライオンがイラスト風

に描かれ、眺めているだけで、4歳児の時間はあっと

言う間に過ぎて行った。



字は全く読めないし、興味は無く、画像から想像

する事が楽しく、母親の縫い物をしている、脇に

座って、時には針に糸を通す事を手伝ったり、毛糸

玉を作るのが面白くて、こうやってあの油ぎった

ニヤケ男の父親から母を守った。




それ程、父親の母親に対しての朝食のお膳をひっくり

返した一件は、子供心に深く刻まれ、男は絶対に弱い

物苛めをしてはいけない、守るんだ。と言う気持ち

は年を重ねるに連れ募って行った。



後年絵描きになりたい気持ちが募って行ったのはや

はり4歳の頃あれや、これやの体験の影響が物を

言っている。



栴檀は双葉より芳しい。この言葉は今の若いお母さん

方に強くお伝えしたいことなのだ。




話は此処北軽井沢王領地の森で最近絵画の事で

急接近して、家族同士でお付き合いさせて頂いて

いる大槻さんと言う、絵が大好きなオジサンの

お話をさせて頂く。



身体は小柄だが、300坪の畑を一人でコナシ、一本

ドッコで何もかも、たった一人でやってのけ、つるむ

事の大嫌いな、軽井沢通の男が、田中一村が大好き

と言う所から、大の親友になってしまったので、触れ

させて頂く。



彼が絵を教えて欲しいとせがんでやって来たのが

3年程前だが、絵は教わるものではない、心の表現

だから、一本の線を描いてもそれは立派な絵だ、

等と言って突っぱねてしまった。





大抵は、こんな対応をしたら、何を小難しい事

を言う奴と、ソッポを向いてしまう筈なのに、

何を気に入ったのか、グングンまるで土足で人

の家に入り込んで来て、自分の胸の内も吐くように

なり、今では王領地一番の友達になってしまった。



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