開業医の免税「認めぬ」50年来の優遇、税調見直し


政府税制調査会は、10年度税制改正要望の地方税分の「査定結果」を各省に通知した。

50年以上続く開業医の非課税措置をはじめ31項目(重複を含む)を「抜本的に見直さないと認めない」と判断。

「認めない」は91項目で、判断対象の176項目のうち7割に否定的な態度を示した。

査定の中心は地方税の負担軽減措置で、民主党が「既得権益」としてきた国税の租税特別措置にあたる。

評価は4段階で「認める」は28項目、「見直せば認める」が26項目。

国税でも137項目のうち計93項目を「認めない」「抜本見直し」としていた。

20日から国税・地方税の査定結果をもとに議論を始めた。

「抜本的見直し」を求めた開業医の診療報酬に対する事業税の非課税措置の減収額は約960億円。

52年に導入され、旧政府税調は廃止を求めていたが、日本医師会などの要望を受けた自民党税調の判断で手をつけてこなかった。(伊東和貴)

http://www.asahi.com/politics/update/1120/TKY200911200416.html

これが実施されたらアメリカ並の貧乏人は野垂れ死ね!って医療制度にシフトしていくな。

現在は医療事業=非営利行為という等式の元に課税免除されているが、その免税を排除するってのは、政府が医療事業≠非営利行為としたって事。

つまり、医療事業従事者は営利行為に走る事が命令されたも同じな訳だ。

厳しい徒弟時代(勤務医)を経て何時かはオーナー(開業医)にってのが大体の医者の目標だったが、それも崩れ去る。

崩れさせたのは現与党以前からの流れではあるが、今後も勤務医と開業医の差をなくさせるようになってるみたいだしな。

で、最後の砦みたいなものも崩そうとしている。

そろそろ本当の終わりだ。

大学病院とか大病院は今でも営利行為に走ってる部分がかなり在る。

特に産婦人科なんか有名でセレブ出産とか。

大病院系は現状の一部だけの営利行為に加速がかかり下手すると全体化する。

そして開業医免税撤廃で町の小さなお医者さんが潰れる。

現状と同じ値段水準じゃやってられなくなるし、投資して整備しようとしても資本のあるところには敵わないからな。

そうすると医療事業が大企業集中型になってしまう。

弱肉強食の世界で市場原理がモロに働くってって感じで、それを抑えていたのが開業医の「免税」という事。

「開業医は儲けている」という話の流れで免税撤廃の話が出て来たが、逆に格差が出てくる。

そうなると、客(=患者)を呼び集める為に設備投資に力入れた病院はどうなるか?

原価を回収しなきゃならないから客単価(=診察費)が高くなる。

そうなると、その高い客単価でも客が呼べるようにする為に設備投資にますます力入れる。

更にって具合にエンドレス。

唯でさえ免税撤廃で苦しいのに、その煽りを食って良心的な病院は潰れる。

因みに医療事業って専門業務だからな。

低価格路線での新規参入は考え難い。

経費は絶対に削れないところもあるし、自分を安売りする医者が居る訳もなく、居てもそんなの使って商売になる訳がなく「開業医は儲けてる」というのには、一般的に高収入だっていう意味では反論しないが、楽して儲けてる的なニュアンスを感じる。

個人的にはオーナーシェフに似てると思ってるんだけど。

自分で料理を作って経営する経営者の側面も大きいから傍から見るほど楽じゃない。

医療って公的サービスだと思うが、これじゃ民間の寡占企業のようになっていく。

この問題って診療報酬の問題や開業医稼ぎすぎっていう話から医師会とかへの報復?や予算捻出などの話も絡んでそうだが元々の問題はこれじゃ解決できそうになく余計に医療崩壊が進む。

専門業務だから寡占化の促進でしかない。

この方法は一番短絡的で一番解決と逆行してる。

しかし、ここ十数年は自民党・民主党どちらの政権でも重要な問題ほど水準を下げる事が正義になっているのが不気味だよな?

エリート育成の為に何故か一般層のレベルを下げたゆとり教育で、次に高すぎる公務員の給料をどう削減するか?ばかりが話題になり民間の所得低下の問題は二の次にし、開業医の税制優遇を撤廃して所得を引き下げる。

医師会は自民党支持だったが愛想を尽かし票が大量に民主に流れ、今や団体として民主党に乗り換えるんじゃないかと言われてるが喉もとに刃物だ。