明日大会鬱ですわ
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俺は予想以上の爆発の大きさに対処できず、そのまま爆風に呑まれて吹き飛ばされた。
しかし超高速で飛んできたアルーラが俺をとらえ、壁などにぶつかる衝撃を受けずして不時着できた。
アルーラ……短時間で強くなりすぎだろう。
これも魔法解放の影響か?
「ベガ、ちょっぴり私に頼ってたでしょ?」
「バレたか」
廃工場からかなり離れた所に降り立ち、工場が崩れ去るのを見届ける。
結構高い工場なので煙が広範囲に舞い、モナルコの安否を確かめられるのは少し時間が経ってからになりそうだ。
「姉ちゃん、煙吹き飛ばして」
「了解」
いや、前言撤回。
煙はアルーラの大風で綺麗に吹き飛び、すぐに工場が視認できるようになった。
工場が丸ごと潰れたので、情報屋は勿論モナルコも恐らく助からないだろう。
それに爆発ももろに食らったし。
「さて問題です、さっき投げたのは何でしょう?」
「アルカリ金属か何かだろう?」
あの爆発からすると、かなり重い物質になるが……。
「ピンポーン。情報屋の家には科学室もあってね、そこには沢山の薬品があるから、その部屋だけは頑丈に作られてるんだ。だからあの爆風でも無事だったよ」
なるほど、逃げたと思っていたが、実は薬品を取りに行くためか。
流石はエラキス、機転が利く。
「んで、何を投げ込んだんだ?恐らくルビジウムよりは重いと思うんだが」
アルカリ金属──周期表1族に属するこの金属は白くて柔らかく、最大の特徴は水に触れると激しく反応して水素を発生させることだ。
それは元素が重くなるほど激しい反応となる。
リチウムやナトリウム程度では高が知れているが、ルビジウムやセシウムともなれば大爆発を起こす。
「フフフ、アルカリ金属の中でも最強の座を誇るフランシウムだよ!」
エラキスは素晴らしく純粋な笑顔で、恐ろしい現象の解説をしてくれた。
フランシウムはアルカリ金属で最も重い、故に最も水と激しく反応する。
セシウムを本の欠片だけバスタブの水に入れただけで、バスタブは破壊される。
あの時エラキスは、セシウムの上を行くフランシウムを、リンゴほどの大きさの塊で一気に水に投げ込んだ。
そりゃこの大爆発も頷ける。
あの近距離からそれを食らったモナルコは、死を免れるはずがない。
実に見事というか……せめてセシウム程度にしてくれよ!
「何か良く分かんないけど、ナイスエラキス!!」
絶対無理と思われた強敵を倒し、3人で喜び合っていたその時だった。
ドゴゴゴゴ!!と耳を劈く音がしたかと思うと、工場だった瓦礫の山が盛り上がり、一気に瓦礫が上空に飛び散った。
「うおおおおおおおおおお!!!!」
そして物凄い雄叫びをあげて、確実に死んだと思われたモナルコが姿を現した。
「ば……化け物!!」
大爆発をまともに食らったのだろう、右腕はなくなっており、頭から夥しい量の出血をしていた。
「よくもやってくれたな……」
これは非常にまずいことになった。
あの衝撃を以てしても死なないなんて人間ではない。
これが血液に魔力が流れる化け物の力だというのか……?
「バラバラにしてやる!!」
モナルコは爆発に耐えた左腕を挙げた。
まずい──また水の攻撃が来る!!
しかし予想は大外れ。
状況は更に最悪だった。
「奴の体が……!」
モナルコの皮膚は肌色から黒色へ変化した。
一体何が起こってるんだ!?
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ここまで。
理由は非常に科学的にしやした。
高校生のみなはんは多分化学で習った人もいるんじゃないかな^^
化学知識の応用例なので真似してね☆←オイコラ
さて、敵はまだまだ死んでませんお。
更に何かしでかすようですお。
ではバイバイ