火曜日は本当に疲れる・・・。

とりあえず一週間で最も疲れる2日を乗り越えますた・3・

ふぅ、一服っと






―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「大丈夫だ、ここの自転車は定期的にメンテしている。パンクの心配はない」


「そうか、だが念には念を入れたいんでね、乗れ」



俺は手に球を出現させて半ば脅し口調で言った。
奴は怯んで渋々自転車まで歩いた。


そして数秒立ち止まり、自転車に跨って漕ぎ始めた。
ふっ、完全に墓穴を掘ったな。



「立ち漕ぎじゃなくてちゃんとサドルに座って漕げよ」


そう、奴はまったくサドルに座って漕ごうとしない。
明らかにおかしい、そしてこのことから仕掛けはサドルにあると断定された。


「うるさいうるさい!!!!」


奴は成す術を失ったのか、俺の方に向かって思いきり突進してきた。


「ベガ!!」


俺は直前で横に跳んで避け、走り去る自転車のサドルに向かって球を投げつけた。
球はサドルに一直線に向かって行き、サドルと接触した。


その瞬間ドオオオオオオオン!!と激しい音を立てて、自転車は爆発した。
その爆風で俺達も多少の被害を受けた。


もう少し離れてからぶつけるべきだったか?
とにかくその爆発は強烈だった。


そして自転車は完全に大破し、原型をとどめていなかった。
一方で乗っていた奴はかなりの上空まで吹き飛ばされ、そのまま地面に激突した。
あれは痛い、非常に痛い。


恐る恐る近づいてみるが、意識は完全に飛んでいた。
寧ろ命があるかも疑わしいほどに痛々しく火傷を負っていた。

こうなれば仕方がない、もう1人の見張りを問い詰めるしかない。



「おい、サドルはどんな仕組みで爆発した?教えないとお前も自転車に乗せるぞ」


「あわわわ……」


もう1人は完全に怯えていた。
逆にこの方が扱い易いんだが。


「サドルにスイッチがあって、触れると爆発する仕組みだ……」


何とまぁ。


「仕掛けのない自転車はないのか?」


「倉庫にいくつか……」


「じゃあ持って来い!!」


「はい!!」



見張りは大慌てで倉庫に走って行った。
全く呆れた、最後の最後まで俺達を殺そうとするとは。


一方でアルーラは完全に腰を抜かしていた。
そりゃあ自分が乗ろうとしていた自転車に爆発する仕掛けがあったと分かったら正気でいられないかもな。
これで少しは注意深くなってくれると良いんだが。



「お待たせしました!」


お、新しい自転車3台の到着だ。


「よし、じゃあ普通に乗ってみろ」


勿論信じられないので、最初に実際に使わせる。
この街に来てから無駄に警戒するようになったな。


見張りはすんなりと自転車に跨がり、少し漕いで止まって降りた。
まぁ問題はないようだ。
唯一気に入らないのは、ガキでもできる行動を、したり顔してやってのけたことだ。


「よし、あの馬鹿とは違ってまともな物を持ってきたようだな」


「勿論!」



見張りはホッとしたように胸を撫で下ろした。
本当にそれなら良いんだがな、面倒だがまだ足りない。


「この自転車については安心した、ご苦労だった」



俺はまだ確認していない2台目の自転車に近付いて、見張りに向き直った。
見張りは明らかに先程より汗をかいていた。


「言いたいことは分かるな?」


「すみませんでしたぁ!!」


ほら来た、正直そうに見せて更に実際に乗って見せたら信じると思ったら大間違いだ。
こいつも所詮はアート民、狡猾なのは変わりない。


「乗ってみせろよ、早く」


「あの……その、別の取ってきます!!」


奴は逃げるように再び倉庫に走っていった。
どうしようもない奴等だ。




―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


ここまで。

世の中信用できないもんだすよ。

ということで次回ちょこっと仲間割れしやす。

バイバイ