「息子と何をして遊ぶか?そうですね。最近は縄跳びですかね」

 手で紐を回すようなしぐさをしながら塚田は言った。

「縄跳びですか。子どもの頃の体育の授業が懐かしいですね。でも、疲れてたいへんでしょう」

 清田は驚く。

「建築士の仕事は座り仕事が多くて、おなかも出てきたので、ダイエットを兼ねているんですよ。あと、けっこういいストレス解消にもなって」

「なるほどですね。確かにいい運動になりそうだ。息子さん、小学4年生なら二重跳びとかできるんですか?」

「息子はあまり運動神経のいいほうではないので、大きくジャンプして1回できるくらいですね」

「ああ。そのジャンプじゃ2回は跳べないだろって感じの。わかります」

 塚田は「そうそう。そのレベルなので、僕が『ハヤブサ』とかすると、親としてカッコいいかなって」と笑った。

「ああ、まず名前がカッコいいですもんね。あれ、でも『ハヤブサ』ってどういうのでしたっけ?『ムササビ』とかもありましたよね」

「はい。いわゆる二重あや跳びですね。あや二重跳びとかそくあや跳びとかも言うそうです。『ムササビ』は交差二重跳びです」

「お詳しいですね。何かされてたんですか?まさか昔はボクサーだったとか?」

「いえいえ、子どもにいいところを見せたくて調べたんですよ」

 清田は「コツは?」と尋ね、塚田は説明を始めた。

 まず、ひもの長さが大事とのこと。グリップを持ち、両方のつま先で真ん中を踏んでグリップがヘソの横にくるぐらいが跳びやすい。

 持ち方は、人差し指を伸ばして、グリップを手のひらで軽く包むようにリラックスして持つ。

 やや前傾姿勢でヒザを曲げずにまず普通の二重跳びをして、身体から腕が離れないように脇を締めて、ヒジから下を使って腕を交差させる。

 腕を開くときも腕が身体から離れないようにする。ヘソの前でヒジから下をやわらかく使い8の字を描くと跳びやすい。とのこと。

「だいぶ頑張って調べられましたね」

 清田は感心する。

「いやあ、実は妻との約束で、息子から尊敬されるようになったら新車を買っていいということになっているんですよ。」

「それでですか」と清田は笑った。

 

 

参考文献