春菊の葉が朝露に濡れ、宝石のように輝く。その光を浴びて、僕らの車は旅路を滑り出した。エンジン音は、まるで心臓の鼓動のよう。新しい一日、新しい場所への期待が、車内に満ち満ちていた。助手席の妻は、地図を広げ、まるで羅針盤のように進むべき道を示している。後部座席では、長男の9歳が、窓の外を流れゆく景色を、まるで映画のスクリーンのように見つめていた。3歳の次男は、お気に入りのぬいぐるみを抱きしめ、夢の世界を旅している。

「ねえ、パパ」長男が口を開いた。「春菊とセイタカアワダチソウって、なんだか兄弟みたいだよね。見た目が似てるし」

「確かにそうだな」僕は答えた。「春菊は畑で大切に育てられるけれど、セイタカアワダチソウは野原で自由に育つ。育つ場所は違えど、どちらも力強く生きている。春菊は、農家の人たちが心を込めて世話をするから、誘引という支えが必要ないんだ。必要な分だけ摘み取られる、まるで選ばれし者のように。摘心、つまり中心の芽を摘むことで、側枝が大きく育ち、収穫の時を迎える。土壌が酸性だと育ちにくいから、苦土石灰を施すのも、愛情の証だ」

「セイタカアワダチソウは、アクが強いから、そのままでは食べられないんだ。まるで、ちょっと頑固な性格の持ち主みたいだね。若芽を選び、丁寧に洗い、茹でたり塩もみしたりと、アク抜きという特別な儀式が必要なんだ。そうすることで、おひたしや天ぷら、炒め物、スープなど、様々な料理に変身する。ハーブティーにもなるんだから、驚きだ。でも、似た植物に毒を持つものもあるから、見極めが肝心だ。アレルギーにも注意が必要だね。採取する場所も、排気ガスや農薬の影響がない場所を選ぶことが大切だ」

妻が地図から顔を上げた。「そういえば、昔、ヤーレンズっていうお笑いコンビが、セイタカアワダチソウをネタにしていたのを思い出したわ。道端に生えてる草を全部天ぷらにして食べようとするっていう…」

車内は笑いに包まれた。次男も目を覚まし、何が起こっているのか分からず、きょとんとしている。

「ツユクサも、セイタカアワダチソウと同じように、野原でよく見かける草だ。まるで、道端の小さな宝石のように、ひっそりと咲いている。クセが少なく、おひたし、サラダ、炒め物、天ぷら、スープと、様々な料理に使える。花もエディブルフラワーとして使えるんだ。若芽を選び、よく洗い、アク抜きをすれば、美味しく食べられる。でも、こちらも、似た植物に注意が必要だ。ツユクサには、ビタミンCやカロテンなど、栄養も豊富に含まれているんだ」

僕らの会話は、まるで春の風のように、軽やかに、そして様々な話題を運んでいく。車窓から見える景色は、時間の流れを教えてくれる。旅はまだ始まったばかり。この先には、どんな出会いと発見が待っているのだろうか。期待と興奮が、僕らの心を躍らせた。