事業を運営する者である限り「儲け=利益」を出さなければならないのは当然のことです。


でも実際の現場では、この「儲け」を軽く考えてしまっている人が多いのも事実です。


しかも、この「儲け」を甘く見るのはマーケティングの分野で、よく見受けられます。


集客するには、そのための施策が必要なのは言うまでもないですね。


そして、その施策として広告宣伝が第一に頭に浮かびます。


どんなにお金にうるさい経営者でも、この広告宣伝をしないことには、集客できないことを知っています。

だから、広告を出す前は、スタッフや広告代理店に対し、実績や期待できる投資効果をうるさく聞いてきま

す。


こんな経営者を納得させる方法は、とても簡単。

それはディスカウントです。ディスカウントの申し出を受けると、お金にうるさい経営者は喜びます。そしてあわよくばと思い、もう少し値切り、満足いく金額になったところで、契約します。


何のことはありません。お金にうるさい経営者は、単なるケチなだけなんです。通常、100万円もする広告が、10万円になったら、「いっちょやってみるか」となります。


同じ広告で最初から10万円のものであれば、絶対10万円ではやることはないでしょう。

もう、お分かりですよね?


大切なのは、投資する金額ではなく、回収できるお金です。その回収できるお金が、投資額を1円でも上回るかどうかが重要なんです。


必ず「儲ける」=「利益を上げること」です。回収金額が投資額を上回ることです。

すべてのマーケティング活動、施策は、この「儲かる」ことを前提に行わなければいけません。

「そうは言っても、儲かる、儲からないなんて、やってみなければ分からないよ」そう言われるかもしれません。


そこで、1つとても重要なことをお教えしましょう。

それは、「『運』ではなく『可能性』に賭ける」ということです。

物事は、2つの性格に分かれます。1つは「運=Luck」であり、もう1つは「可能性・確率=Probability」です。


「Luck」は、自らがコントロールできないこと。例えばギャンブルのような賭け事や宝くじです。

これに対し「Probability」は、自分がコントロールすることができる、成功の確率を高めることができるものです。


例えば、試験です。

試験に合格するために、勉強しないのと、一生懸命勉強するのと、その合格の確率はどちらが高いか言えますね。


勉強しなければ、試験に落ちる確率が高いけれど、勉強することで合格する確率は高まります。

だから、皆一生懸命勉強するんですよね。


経営者として、何か事にあたるとき「運」がその結果を決めるようなものは絶対に避けなければなりません。経営者が事に当たる時、それは上手くいく「確率」のあるものであり、その確率を上げるための準備をしっかりとやることを前提としなければなりません。


この話を締めるにあたり、最後にもう一つ触れた方がいいでしょう。それは「リスク」です。

投資をするのは、儲けを期待するからですが、物事はすべてうまくいくとは限りません。もちろん、上手くいくための準備をするのは当然ですが、それでも時に、予想したことと異なる結果が生じる場合があります。


これを「リスク」といいます。このリスクを考えるに当たり、有名な話を例にとってみましょう。


大リーグで伝説のホームランバッターと言えば、NYヤンキースのベーブルースですね。


ベーブルースに関する話でも、特に有名なのは、重病で手術を受ける必要のある子供とホームランを打つ約束をした話があります。


子供は、野球が大好きで、特にベーブルースのフアンでした。でも、その子供は重病を患っており、手術をしなければなりませんでした。でも、子供は手術を怖がって、なかなか手術に望もうとしません。


患者が「生きる」「そのために手術を受ける」という強い意志を持たないと、手術をしても上手くいかなかったり、術後の経過が悪化したりすることがあります。


そのため、その子供の両親は何とか、子供に手術を受ける勇氣を持って欲しいと思っていました。そこでベーブルースに子供を見舞って欲しいとお願いしたのです。


そして、ベーブルースは、子供と1つの約束をします。もしベーブルースが、次の試合でホームランを打ったら、子供が手術を受けるというものでした。


結果は、めでたくベーブルースがホームランを打ち、子供は手術を受け元氣になるというお話です。

この話は、美談としてベーブルースの伝記やいろんなところ伝えられています。


私も小学校の時、この話を誕生日で買ってもらったベーブルースの伝記を読み、感動したのを記憶しています。


しかしながら、今考えてみると、この話はとんでもないことです。


「リスク」ということを考えると、子供の命がかかっているのです。ベーブルースは、こんな危険な賭けをしてはいけないのです。


「でも、ベーブルースは、天才的なホームランバッターであり、それなりに練習もし、自分がホームランを打つという自信があったのだから、『運』ではなく、『可能性・確率』が高いということで、Okayなのでは?」

いえいえ、「リスク」と比較すると非常に危険です。


特に、この場合、ベーブルース本人には、リスクは小さく、対する子供には、非常に大きなリスクになっています。


つまり、子供が負うリスクは、ベーブルースのコントロールが効かないのが問題です。


リスクは、起こることを想定し、起こった場合でも、自分がコントロールできることが前提で、そのリスクを踏まえてでも、行動に移す。これが経営者の取る、意思決定です。


この『運』と『可能性・確率』については、ブライアン・トレーシーから学びました。