『コンテンツ』とは、そもそも何でしょうか?
元々の意味は、「コンテナ」からきています。
貨物トラックの「コンテナ」とか、海上輸送の「コンテナ」とか、その『コンテナ』です。
つまり、「入れ物」のことです。
入れ物そのものは本来意味はありません。そこに『中身』があってはじめて、輸送(伝達)する意味が出てくるわけです。
そのコンテナの中身を『コンテンツ』といいます。
「中身」というのは、何らかの価値のあるものです。
「あいつは中身の無い野郎だな!」という悪口は、「あの人は価値のないくだらないお方ですね」という程度の意味合いです。
『コンテンツ』というのは、中身のある価値のあるものという意味です。
この意味合いで考えると、私は、巷で使われている「コンテンツ」という言葉に若干違和感をもっています。
たとえば、「役に立つコンテンツ」というのは、私の感覚では、「頭痛が痛い」というのと同じくらい微妙な表現です。本来、「コンテンツ」というものは、誰かの役に立つものなのですから、同義反復です。
「独自コンテンツ」という言葉も同じです。
私も便宜上、「独自コンテンツ」という言い回しをけっこう使いますが、本来のコンテンツというものは、それ自体で既に独自性が備わっているものなのです。
「コンテンツ」そのもので、何も装飾せずとも、本来は固有の価値があります。
なので、コンテンツを作ったり、それを広めたりすることは、とても価値の高い行為と言えます。
けれど、それは特別な仕事ではありません。
私は、コンテンツを作る、そして広める役割を担っている人のことを「コンテンツメーカー」と呼んでいます。
「コンテンツメーカー」も特別な仕事ではありません。
■コンテンツメーカーとは何か?
コンテンツメーカーとは、
(1)何らかの思いつきに価値を見出し、
(2)それを必要とする具体的な人物をイメージし、
(3)最もふさわしい伝達手段を選択する。
このような立場で商売する人のことを指します。
すると、「それはインフォプレナー(情報起業家)のことではないか?」とイメージする人も多いと思いますが、そうではありません。
インフォプレナーと区別するために、あえて「コンテンツメーカー」という言葉を使っています。
インフォプレナーというのは、コンテンツの伝達手段が「情報商材」となった場合にはじめてそういえるわけで、コンテンツメーカー=インフォプレナーではないことにご注意ください。
私の言う「コンテンツメーカー」は、もっと幅広いものです。
たとえば、サイトアフィリエイターもコンテンツメーカーといっても良いでしょう。
PPCアフィリエイターでありながら、同時にコンテンツメーカーであっても良いわけです。
どんなビジネスであれ、そのビジネスに取り組むことが、同時にコンテンツメーカーであるとも言えます。
つまり、「コンテンツメーカー」というのは、職業ではなく、ポジション(立ち位置)のことです。
サイトアフィリエイトやPPCアフィリエイトといった何らかの具体的なビジネスを実践しながら、それとは別にコンテンツビジネスを展開しよう!というのではありません。
そうではなく、「コンテンツメーカー」というポジションに立って、その視点で、サイトアフィリやPPCアフィリに取り組もうよ!というのが、本来の意味です。
もちろん、PPCアフィリエイトなどを実践しながら、それとは別次元で何らかのコンテンツを作って販売しても一向に構いません。
当然ながら、商用目的のコンテンツを作り、それを売るというのもまた、コンテンツメーカーに他ならないからです。
目的がどうであれ、その手段として「独自コンテンツ」を必要とする場合に、「コンテンツメーカー」という視点が不可欠になってくるわけです。
私が「コンテンツメーカー」と言った場合、通常はこのような意味合いになります。
■「コンテンツメーカー」というポジションが不要な商売はない。
もうお分かりのように、「コンテンツメーカー」というポジションに立たなくてもいい商売など、世の中に一つもないことに気づくはずです。
だから、サイトアフィリエイターは、コンテンツメーカーです。
PPCアフィリエイターもコンテンツメーカーです。
もちろん、物販だってその他のビジネスだって、みんなコンテンツメーカーです。
もっと言うと、小売店を営む人も、会社勤めの人だって、コンテンツメーカーです。
サラリーマン時代、年間50~60本の企画書という「コンテンツ」を会社に提案し続けていた時期があります。
会社員時代にやっていたことと、今私が携わっているインターネットビジネス、インターネットマーケティングというのは、本質的には何も変わるところがありません。
会社員時代も、独立以降も、変わりなく「コンテンツメーカー」だからです。
そう考えると、かれこれ四半世紀くらい、「コンテンツメーカー」というポジションで飯を食わせてもらっているとも言えます。
私のやっていることは“何とかの一つ覚え”なのです。
他人からは、「いろんなことをよく同時進行でやれるよね」とか、「次から次へと切り口の異なるコンテンツを良く量産できるよね」などと不思議がられたりしますけど、やっていること自体は全くたいしたことはありません。
(1)何らかの思いつきに価値を見出し、
(2)それを必要とする具体的な人物をイメージし、
(3)最もふさわしい伝達手段を選択する。
一貫して、これしかやっていないのです。
サラリーマン時代の企画提案書、アフィリエイトビジネス、インフォビジネスなど、自分自身のビジネスについてはもちろん、コンサル業やプランニングなど他人様のビジネスのお手伝いをさせていただく際も、すべて、この(1)(2)(3)で「コンテンツ」を組み立てています。
これが、「コンテンツメーカー」というポジションです。
■コンテンツメーカーになると何が変わるのか?
ズバリ、作業スピードが格段に上がります。
(1)何らかの思いつきに価値を見出し、
(2)それを必要とする具体的な人物をイメージし、
(3)最もふさわしい伝達手段を選択する。
どんなビジネスであれ、すべてこの順番でやるべきことを形にしていきます。
そのように決めてしまうと、「何をしたらよいかわからない」という迷いがなくなります。
「何から着手したらよいのか?」
「次に何を考えるべきか?」
このような迷いが全部なくなります。だから、格段に作業効率が上がります。
しかも、成果も格段に上がりやすくなります。
なぜ、成果が上がりやすいのかと言うと、最初に『価値』を検討するからです。
まず、「価値」を見出しておいて、それからその価値を十分に感じてくれる「誰か」を見つける。
中途半端ではいけません。「十分な」価値を感じてもらえることが重要です。
ここを上手く組み立てることが出来れば、あとはキチンと伝えるだけです。
キチンと伝えることが出来れば、間違いなく成果が出ます。
■「価値」を見出すには?
ズバリ、市場で既に出回っている「価値」のパワーを最大限に利用することです。
ご注意いただきたいのは、その「価値」をそのまま追従するのではない点です。それでは効率悪すぎます。
たとえば、サイトアフィリエイトや PPC アフィリエイトの検索市場で、よく同じような内容のランキングサイトが乱立していることがありますよね?
どのサイトを見ても、多少の差はあれど、どれも同じような体裁です。なぜ、このような現象になるのか?
理由は簡単で、その市場の検索ユーザー多くが、ランキング形式の情報によってもたらされる何らか価値を求めてきたからです。
まあ、実際には、アフィリエイター側の都合で、ランキング広告を乱立させてきたのかもしれませんが、実際それでたくさん売れているのなら、ある種の市場のニーズとも言えます。
ですが、このように何らかの価値が蔓延した、いわば成熟した市場では、その価値にそのまま便乗するのは得策ではありません。
なぜなら、自分のところから売れる根拠がないからです。
後発組の自分が、先発組と「同じ価値の範囲内」で勝負するなら、他のどの競合者よりも圧倒的に優れた文章力やデザイン性で勝負出来なければ話になりません。
もちろん、そこで勝算があるのならそれも一つの選択肢ですが、そこだけに時間とお金を費やした分だけの勝算がなければ、安易に乗るべきではないと考えます。
なぜなら、他にいくらでも「価値」を見出すことはできるからです。
たとえば、何らかのキーワードで・・・ここでは「育毛剤 ランキング」というキーワードで検討してみましょう。
ある時点でのリスティング広告の検索結果を見ると、上位5位中すべてがランキングサイトで、そのうち4つが第一位に「薬用ポ〇リピュア」が取り上げられていたとします。
よくある光景だと思います。
この市場は、「薬用ポ〇ピュアを購入するのが当たり前だよ」と言っている市場であり、その価値は、「人気の薬用ポ〇ピュアに対する安心感を提供する」というものです。
とりあえずは、このように市場を大掴みします。
先ほども申し上げた通り、この市場の価値をそのまま踏襲するのなら、他のアフィリエイターを圧倒するクオリティーのランキングサイトを UPすれば OK です。
ですが、それが出来そうもない、出来たとしても中途半端ならやらないほうがマシだと思います。
一方で、この市場、いわば「薬用ポ〇ピュア万歳市場」の価値観を最大限に活用して、『新たな価値』を見出すことは非常に簡単です。
しかもたくさん見つかります。
その中からもっとも成果が期待できる『価値』で勝負していけば良いとの算段もつきます。
たとえば、「薬用ポ〇ピュア万歳市場」では、この商品のメリットは存分に知ることができますが、『デメリット』についての情報が希薄です。
そこまで分かったら、『薬用ポ〇ピュアのデメリット』という軸が、この市場で勝算があるか否かを検討します。
そのため、競合広告はもちろん、オーガニック検索の5ぺージ目くらいまでの情報には漏れなく目を通します。
また、「薬用ポ〇ピュア デメリット(欠点)」といった検索キーワードでも、いろいろリサートしてみると良いでしょう。
そのうえで、「薬用ポ〇ピュア デメリット(欠点)」という切り口が、「誰」にとって価値ある情報になるかを検討します。
ここでは詳細は省きますが、当然ながら「薬用ポ〇ピュア デメリット(欠点)」というのは、今まさにこの商品の購入を検討している方にこそ、最大の関心事であるわけです。
ということは、「薬用ポ〇ピュア デメリット(欠点)」をしっかり情報としてまとめ上げることができれば、そこには「価値」が宿りますので、この情報は『コンテンツ』になり得るわけです。
あとは、「伝え方」を検討します。
私の見たところ、この市場では、「薬用ポ〇ピュア押し」でいくのがやはり得策であると思われます。
つまり、商品のデメリットを詳細に伝えておきながらも、最終的には「それでも薬用ポリピュアを選ぶべき理由」に繋げていくのです。
なぜ、こうした伝え方を選択するのかと言うと、これと同様の筋で伝えている競合者がほとんど見当たらないからです。
市場全体が「薬用ポ〇ピュア」が一番だ!と言っているわけですから、この市場に限って言えば、間違いなくこの商品が一番売りやすいです。
その一方で、競合者と似たような内容かつクオリティーのサイトでは、自分の所から購入してくれる可能性はたかが知れています。
そこで、「薬用ポ〇ピュアの知られざるデメリットとは」という切り口のサイトをあえてぶつけることで、ほとんどのユーザが抱えている『本当にこのまま購入してしまってよいものか?』という潜在的な不安に訴求するのです。
こうした切り口で訴求した情報が市場に手薄なことは事前のリサーチで明らかなわけですから、検索ユーザーはこの切り口に敏感に反応するはずです。
そのうえで、「いろいろデメリットはある」「けれど、それを上回るメリットがある」あるいは、「このデメリットを解消してくれる商品は現状では他の商品にもない」と伝えるわけです。
お気づきのように、ここまでの流れはすべて、
(1)何らかの思いつきに価値を見出し、
(2)それを必要とする具体的な人物をイメージし、
(3)最もふさわしい伝達手段を選択する。
この(1)(2)(3)を踏襲していますよね?
だから、PPC アフィリエイターやサイトアフィリエイターですら、みんなコンテンツメーカーなのです。
そして、〇カの一つ覚えのように、オンライン、オフライン問わずあらゆる仕事を回してきたのが私の二十年間です。
たったこれだけで、全然畑違いの仕事を同時進行でこなせていけるのです。
しかも、その原点は、サラリーマン時代の企画書づくりです。
これが、私の言う「コンテンツメーカー」というスタンスです。
コンテンツメーカーについては、今後も度々触れていきたいと思います。